プラズマに対して最新液晶テレビの実力は?
ここまでプラズマの素晴らしさを語ってきたが、最新鋭の液晶テレビも負けてはいない。液晶テレビはもともと高精細化がしやすく小~中型サイズで強さを発揮する表示デバイスだ。
画質面でプラズマ勢に対して不利と言われながらも、生産メーカーやテレビ発売メーカーが増え、競争が激化することで驚くほどの進化を果たした。
特に40V型を超える大画面サイズの実現は液晶テレビが登場した2000年当時には不可能とさえ言われていたことで、実際には84V型液晶テレビが市販されている現在の液晶の進化は驚異的なものだ。
高コントラストについても、映像の明るさに対応してバックライトの明るさを調整することで黒い部分が発光してしまう黒浮きを低減。応答性に優れたLEDバックライト採用でさらに高コントラスト化が進んだ。
そんな液晶テレビの進化の集大成とも言えるフルHD液晶テレビのオススメモデルが、東芝の「55Z8」(実売価格22万円前後)。
独自に開発した「直下型広色域LED採用ダイレクトピュアカラーパネル」を搭載し、高輝度化と広色域化を実現している。明るく鮮やかな色彩と、自慢の超解像技術による緻密なディテール再現は見事なもので、プラズマテレビと肩を並べる究極のフルHDテレビと言いたくなる。
そして、パネルの薄型化や画面周囲のフレームの細枠化など、デザイン性や省スペース性も大きく進化した。今やテレビの額縁は極めて細く、サイズ的にも数年前のワンサイズ下のモデルよりも大画面の方が小さいという逆転現象も起きている。これは次に買うときはもっと大きいサイズにしようと考えている人にはありがたいだろう。
さらには、地デジ6chを全録できる「タイムシフトマシン」への対応や、クラウドを利用したネットワーク機能「TimeOn」など、スマホやタブレットの連携を含めたさまざまな機能に対応している。
フルHDテレビにおける液晶とプラズマの
メリット・デメリット
液晶テレビ | プラズマテレビ | |
---|---|---|
画面輝度 | ◎ | ○ |
コントラスト | ○ | ◎ |
色再現性 | ドロー(製品による) | |
視野角 | ○ | ◎ |
消費電力 | ◎ | △ |
年間消費電力 | ○ | ○ |
ここで、昔懐かしい「液晶VSプラズマ」のメリットとデメリットを比較して、どっちを買うのがいいかを比べてみよう。テレビ画質を大きく左右する要素で比較すると、画面輝度で選ぶならば液晶、コントラスト比はプラズマが優位。
明るい液晶は外光の入る明るいリビングでも映像が見やすいのに対し、プラズマは明るい部屋では画面輝度が不足しがちに感じることがあるし、黒の再現性を有効に活かすにも外光を遮り、あるいは部屋を暗くした方が持ち味を活かしやすい。
一般的な家庭で使うなら液晶、プラズマはシアター的な使い方に向く、という表現はこうした性能差が根拠となっている。
色再現性はモデルによる差はあるし、各社の画作りでも異なるので一概には言いにくいが、パナソニックのTH-P55GT60と東芝の55Z8などの最新モデルを比べる限り、どちらもHDTV規格の標準的な色域をきちんとカバーしており、大きな差はないと言える。
やはりプラズマ優位と言えるのは、広視野角だ。東芝の55Z8は広視野角のIPSパネルを使っており、実用上の差はほとんどないが、両者を並べて見比べれば液晶と視野角フリーのプラズマでは差を感じる。
逆に液晶優位となるのは消費電力。55Z8は定格上の消費電力は277Wで、年間消費電力量は150kWh/年。TH-P55GT60は458W、155kWh/年。電気代の目安になる年間消費電力量での差はわずかだが、消費電力の差はちょっと大きい。
結論としては、先に述べた通り、明るい部屋なら液晶、部屋を暗くして映画を楽しむならばプラズマとなる。画質的な好みもあるが、テレビを置く場所の環境に合わせるのが正しい選び方と言えるだろう。
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