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痛車でラリー! メロンからプラムへ~新たなる挑戦! 第6回

プラムレーシング、今年の全日本ラリーすべて終了!

2013年12月04日 21時25分更新

文● 中村信博 ●撮影/うえのふみお、Alfred Vorgan、t.ishiwari、くすもとまさき、田路了悟、片桐直人

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今年最後の戦い「新城ラリー」

 そして高山戦から2週間後の10月26~27日、全日本ラリー選手権の今年度最終戦となる第9戦「新城ラリー2013」が開催された。前戦までにシリーズの行方も決定して消化試合っぽい雰囲気があるけど、チームとしては別。まだ今年度の目標である「3位表彰台以内の獲得」を達成できてない!

 今年の新城ラリーは愛知県のバックアップを受けて、メイン会場をこれまでの市営桜淵公園から、約64ヘクタールという広大な敷地を持つ県営新城総合公園に移しての開催となった。この週末は台風27号の本州接近で開催すら危ぶまれたが、台風の進路が南よりだったために何とか開催決行。2日間で約5万2000人という観客が来場して、ラリーパークのさまざまなイベントを楽しんだようだ。台風さえなかったら、7万人、いや10万人の大台だって夢ではなかった?

今年の会場は広大な県営新城総合公園。サービスパーク、観戦エリア、デモラン会場などが一ヵ所に集約されていて、各メーカーのブースや屋台も数多くお客さんも大満足だったようだ

今年の新城ラリーでもTA64セリカがビョルン・ワルデガルド氏のドライブでデモラン。そして陸上自衛隊から93式近SAMや81式短SAM、さらにはファインモールドからガルパンジープやキューベルワーゲンなど、レースカー以外にも多くの車両が展示されていた

 総走行距離約290km、そのうちスペシャルステージ(SS)は12本、約79km。コンパクトにまとめられたスプリントイベントだが、その攻略難度はケタ違いに高い。とくに、全日本ラリー選手権でも屈指の難度をほこる「雁峰林道」は今年もデイ2に登場。ナロー&ツイスティ&スリッピーという3重の悪条件を抱えたこの名物ステージでは、毎年多くのマシンがリタイヤに追い込まれているのだ。

公式車検中の諏訪姫インテグラと、チームブース。1日目の朝は、まだ台風の影響による雨と突風が残っていた

 26日、デイ1。台風からもたらされた風雨の影響で、ステージの状況はきわめて悪い。風に舞った落ち葉が大量に路上に降りまかれ、それが雨に濡れてズルズルの路面になっていたのだ。そんな状況に多くのマシンが足をすくわれ、この日の終盤には総合チャンピオン候補のLUCKインプレッサ(勝田範彦選手/足立さやか選手組)がクラッシュするという波乱の一幕もあった。

今回は有名人も多数参戦。先頃SUPER GT勇退を表明した山野哲也選手が86で、そして世界チャンピオン新井敏弘選手の息子・大輝選手もオープンクラスから出場していた。併催のTRDラリーにはモリゾウ選手や哀川 翔選手の姿も!

なんと総合チャンピオン候補のLUCKインプレッサがクラッシュ! フロント周りを大破しているが、このあと展示車両から部品を移植するなど懸命な作業の末に、デイ2に復活することができたのは見事という他はない

 諏訪姫インテグラはハイドロプレーニングと戦いながら、中低速ワインディングのSS1「ほうらいせん一念不動」を3番手タイムと好スタート。だが、コース幅がワイドかつハイスピードなSS2「作手ノース」では、今回スポット参戦のGTドライバー山野哲也選手、F3レーサー勝田貴元選手の2人のレース組が駆る2台の86にマージンを取り返されてしまう。以降、ツイスティな中低速ステージでは諏訪姫インテグラなどラリー組がタイムを稼ぎ、高速ワイドな「作手ノース」でレース組が取り返すという、「ラリーvsレース」の一進一退の攻防が続いていくのだ。

昼を過ぎる頃になってようやく青空が顔をのぞかせる。心配された台風は遠くそれていったようだ

1回目のサービスに無事帰還した諏訪姫インテグラ。とりあえずマシンに問題はないが、レース参戦組からの追い上げが厳しい!

 サービスをはさんで2ループ目、SS4でふたたび諏訪姫インテグラは3番手タイムをたたき出して山野選手、それに勝田選手の86を引き離したかに思えたが、なんとこのステージでクラッシュ車両が出てステージキャンセルの裁定が下り、全車同タイムとなって勝負は再び振り出しに。しかし諏訪姫インテグラは、続くSS5、そしてSS6を最小のタイムロスで切り抜け、クラス3番手の座を死守して1日目を終えた。この時点で、4位の山野選手の86とはビハインド6.2秒!

デイ1最終サービスに帰還、問題なし。各部をチェックして車両保管に送り出す。タイヤ選択と交換は、翌朝すぐのショートサービスで天候を見ながら行なう予定だ

 27日、デイ2。台風一過の気持ちのいい青空が広がった。山野選手とのビハインドを守りきるには、何としても今イベント最大の勝負どころである「雁峰ウエスト」で山野86よりも上に立たなければならない。雁峰林道は全線が深い森の中で、路面が乾ききっていないことも予想されたが、ここで香川選手はドライタイヤでの勝負を選択する。

車両保管あけのショートサービス。ドライタイヤに変更中の愛機を見ながら、ドライバー香川選手は何を思う?

 ドライ、ウェット、マッディ(泥)とめまぐるしく路面状況が変わるSS7「雁峰ウエスト」を、諏訪姫インテグラはハイスピードで駆け抜ける。中間地点の左コーナーでグリップを失い右フロントをヒットするが、ダメージを最小限に抑えられたのは幸運だった。結果的に、このステージで山野86に44秒もの大量マージンを築いた諏訪姫インテグラは、以降は後続とのタイムを見ながら安全にステージを消化する3位キープの走りに作戦を変更する。

ウェット路面が各所に残る「雁峰ウエスト」で右フロントをヒット。サービスでは前周りを中心にチェックを行なった

 諏訪姫インテグラ、全日本ラリー選手権最終戦「新城ラリー2013」をJN-3クラス3位でフィニッシュ。公約として掲げていた「3位表彰台」を、最後の最後で達成することができた! こ、今年は表彰台までの壁がすごく分厚く感じたぜ……。

諏訪姫インテグラ、ついに「クラス3位以内」の公約達成! ようやく肩の荷が下りた……

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