コンセプトは「Inkjet in the office」
同社の取締役副社長 岡隆史氏は「ヒューレット・パッカードは、業務用の大判プリンターやデジタル印刷機を古くから作ってきた歴史がある。その分野では大きなシェアを占めているが、オフィス向けプリンターの分野では残念ながら利用者が少ないのが現状。ランニングコストも抑えられ、印刷速度にも優れた今回のインクジェットプリンターで、シェア拡大を目指していきたい。コンセプトは“Inkjet in the office”」と語った。
発表会中盤には、IDCジャパン イメージング、プリンティング&ドキュメントソリューショングループのマネージャー石田栄次氏が登壇。“ビジネスインクジェットは「レーザーの壁」を打ち破ることができるのか?”というテーマでオフィス向けプリンター市場の動向や分析結果を講演した。
「レーザーの壁」を打ち破れるか!?
石田氏によれば、オフィス向けプリンターの年間出荷額は年々成長の傾向にあり、2012年度は7600億円にも上るという。ただし、シェアも伸び率もレーザープリンターが圧倒的で、「インクジェット、特に“ビジネス向けインクジェット”のみ」にしぼると、2009年と比べてあまり変化が見られないとのこと。石田氏はこの理由を「インクジェットには、遅い、ランニングコストが高い、印刷品質が悪いといったネガティブなイメージがある」「“オフィス向けプリンターとしてのインクジェットプリンター”が十分に認知されていない」と分析する。
ゆえにオフィス向けのインクジェットプリンターの普及には、「従来のイメージの打破」と、「レーザーの壁を打ち破る」必要があるのだという。
石田氏の講演内容を踏まえ、HP Officejet Pro Xシリーズの仕様を今一度見てみる。最速70枚/分と速度は申し分なし、定額パックの小津入でコストも抑えられる、速乾性や耐水性に優れた新たな顔料インクと、石田氏の語った「インクジェットプリンターのネガティブなイメージ」は解消されているように思える。
HP Officejet Pro Xシリーズのような機種が今後増えてくれば、「とりあえずレーザー」というほぼ一択の現状から「レーザーにするか、インクジェットにするか」とプリンター導入時の選択の幅が広がっていくのかもしれない。