国内市場は依然成長の見込み&圧倒的強さのLINE
連載第2回はソシャゲー! 「意外と知らない!? 業界ランキング」
2013年11月25日 09時00分更新
パズドラ人気!「パズドラ>Mobage+GREE」
ソーシャルゲームと言えばこれまでは、MobageやGREE等の集客力のあるプラットフォームにゲームを提供する形が主流だったが、パズドラのように、App StoreやGoogle Playに直接配信するタイプのものが増えている。
パズドラの人気は特に顕著で、2013年10月時点で2000万ダウンロードを超えている。なお、LINE POPも2013年1月に公開2ヵ月で世界累計2000万ダウンロードを突破している。2000万ダウンロードというのは、今の大ヒットを表す数字なのかもしれない。
今度は、圧倒的人気のパズドラを擁するガンホーと、多数のゲームを抱えるMobageのDeNA、GREEの連結営業利益を比較してみよう。
2013年4~6月期の連結決算では、GREEは、不採算ゲームの開発・運営の取りやめや海外拠点の閉鎖で102億円の特別損失を計上、3億円の最終赤字に陥っている。DeNAも、同期連結営業利益は前年同期比7.6%減の169億円にとどまった。
一方、ガンホーの同期営業利益は265億円と前年同期比34倍と急拡大している。つまり、同期において、ガンホー一社でGREE、DeNAを合わせた以上の営業利益を出していることになるのだ。
米国≒日本?
次に、世界とソーシャルゲーム発祥の地である米国に目を向けてみよう。
GREE調べによると、モバイルゲームの2012年の国内市場は1000億円、世界市場が4000億円(フィーチャーフォン含まず)に上るという。2013年の予想は国内3000億円、世界市場が1兆円。国内は成長の上限に達しているが、海外市場はこれから急激に伸びると予測されている。ソーシャルゲーム会社の海外進出が多いのには、このような理由があるというわけだ。
少し前の調査だが、米調査会社eMarketerは、米国ソーシャルゲーム市場規模は2011年に10億9000万ドル(約1080億円7350万円)に達するとの予測を発表している。つまり大まかに見ると、日本と米国のソーシャルゲーム市場は、それほど大きな差はないということになる。
Zyngaと言えば、「Farm Ville」「City Ville」等で知られる米国のソーシャルゲームの最大手企業だ。2011年第一四半期には、Facebookの売上の19%がZyngaゲームに関する広告や支払いによるものというくらい、その存在は巨大なものとなっていた。ところが、パソコンのブラウザゲームを主としていたため、モバイル中心の今の時代、かつての勢いはない。一時は日本にも開発拠点を持っていたが、閉鎖している。
現状、第3四半期決算は、売上高は1億5210万ドルと前年の2億5600万ドルから40%減少、純損失は1620万ドルとなり前年同期の36万1000ドルから拡大している。その上、一日当たりのアクティブユーザー数は、2013年の第2四半期に2012年から45%減少の3900万人になっている状態だ。
日本でも米国でも、かつての王者の苦境が顕著だ。ここ数年は、パソコンからモバイルへ、フィーチャーフォンからスマホへというデバイスの移行があったため、変化が大きかったためもある。
ソーシャルゲームは、現状はLINE・パズドラのガンホーの天下だ。ただしソーシャルゲーム自体流行廃りが大きく、天下をとり続けるにはそれ相応の継続的な努力が必要となるだろう。
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