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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第221回

4コアAtomの「Bay Trail」、タブレット向けは新機能満載

2013年09月23日 17時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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デスクトップおよびモバイル向けの
Bay Trail-D/M

 ここまではBay Trail-Tの話であったが、ここからは少しその他のものについて説明しておきたい。Bay Trail-D/Mについてだ。

 デスクトップおよびモバイル向けのBay Trail-D/Mは、Celeron/Pentiumのブランドで発売されることになるが、この構成は以下の通りだ。

Bay Trail-D/Mの構成。SATA 3GとPCIe Gen2 x4レーンが出るのが大きな違い。またISPは一応残されている模様

 製品としてはBay Trail-Dが3製品、Bay Trail-Mが4製品リリースされることが明らかになっている。もっともBay Trail-Tと異なり、こちらは現在プロセッサーナンバーしか公開されていない。したがって、以下の2つの表は公式情報ではないので、ひょっとすると間違いがあるかもしれない。

Bay Trail-Dのスペック(予想)
製品名 コア数 動作周波数 TDP 価格
Pentium J2850 4 2.4GHz 10W 94ドル
Celeron J1850 4 2GHz 10W 82ドル
Celeron J1750 4 2.4GHz 10W 72ドル
Bay Trail-Mのスペック(予想)
製品名 コア数 動作周波数 TDP 価格
Pentium N3510 4 2GHz 7.5W
Celeron N2910 4 1.6GHz 7.5W
Celeron N2810 2 2GHz 7.5W
Celeron N2805 2 1.46GHz 4.5W

 IDFにおけるプレスリリースはもうすこし漠然としており、例えばBay Trail-Dを使ったシステムの最低価格は199ドルからになるだろうとか、Bay Trail-Mを搭載したシステムはクラムシェル型で199ドル、タッチ機能付きノートで250ドル、2in1だと349ドルがシステム最低価格になるだろう、といった表現に留まっており、具体的な登場時期などは明示されていない。

 これだけだと情報としてやや少ないのでもう補足しよう。下の画像が今年後半~来年前半における、モバイルのセグメント別の製品展開である。タブレットはほぼ全面的にBay Trail-Tであるが、2in1やタッチ機能付きノートも低価格向けは全部Bay Trail-Mで担う形になるとしている。

今年後半~来年前半における、モバイルの製品展開。かつてのネットトップ/ネットブックにあたる市場を、再度Bay Trailで掘り起こそうとしている、と考えればいいのであろう

 一方デスクトップ向けだが、現時点ではスクリーンサイズが17インチを超えるとほぼ100%デスクトップになるとしており、先進国におけるデスクトップの需要は次第に減少していくが、途上国ではむしろ伸びる傾向にあるとしている。

確かに現実問題として17インチを超えるノートは既にノートという枠からはみ出す大きさで、重量やサイズを考えるとデスクトップの方が現実的である

Emergingが途上国を示す。TAMはTotal Available Marketの略で、この場合はマーケットサイズの意味。グラフの縦軸は100万台

 ただし途上国であるから、当然高価格な製品は受け入れられにくいわけで、具体的には399ドル以下向けのラインナップと、一部AIO(All-In-One)向けにBay Trail-Dを展開していくとしている。

縦軸は価格、横軸は拡張性を示す。低価格製品では拡張性が限られるのは致し方ない。ちなみに拡張性の反対がスタイリッシュ性やタッチ機能などで、横軸は拡張性を犠牲にしている代わりに小さくコンパクトに、という意味なのであろう

 上の画像で左下に出てきているのがスマートディスプレーだ。つまりAndroid端末だが、タブレットというよりはPCのフォームファクターに近いもので、Chromebookのデスクトップ版である。

スマートディスプレーの概要。個人的には、もうすこし値段が下がらないと普及しない気がする

 今年のIDFでもChromeboxが紹介されたが、これにディスプレーを組み合わせたようなものだと考えればいいだろう。こうした市場にもBay Trail-Dを導入していきたいようだ。

 最後に小ネタをひとつ。現時点ではBayTrail-Iについての公式なアナウンスはないが、IDFの会場で確認したところ、来月には組み込み向けにBayTrail-Iをアナウンスするという話であった。

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