利用しないページをメモリーから開放し
消費電力を削減
メモリーに関しては先ほど触れた通りであるが、少し説明を追加しよう。下のグラフはおそらくスタンバイ時の消費電力(ただしメモリー+メモリーコントローラー)と思われる。
やはりぶっちぎりでDDR3L×2chは高くなっており、これがDDR3Lでは1chしかサポートしない理由であろう。それはともかく、最後に“Proactive page closing policies to close unused pages”という項目があるのが目を引く。「利用しないページは率先してクローズする」ということだが、この仕組みは次の通りだ。
Windows 8にしろAndroidにしろ、仮想記憶に対応したOSなので、メモリーは「ページ」という単位で管理をする。このページを不必要に保持しておくと、その分消費電力が増える。そこで、使っていないページの内容はどんどんストレージに退避し、かつページそのものを開放するのである。
ちなみにこれを積極的に進めると「保持しないページはリフレッシュしない」という方法もあるが、今度はDRAMをページ単位でリフレッシュする/しないの管理をしなければならない。管理機構が非常に複雑になることもあってか、ここまでの細工はしていないようだ。
モバイル向けでは重要なカメラ制御
次がISP(Image Signal Processor)、つまりカメラ制御である。Bay Trail-Tの場合、露光(AE)、フォーカス制御(AF)、ホワイトバランス(AWB)の3つはCPU側で処理をするが、それ以外の諸々(電子手振れ補正、ノイズ削減、カラーバランス調整、など)は全部ISP側で処理することになっている。
2次キャッシュのほうが
CPUコアより発熱が高い
最後に消費電力周りに関して説明しよう。下の画像はインテルより提供されたBay Trail-Tのダイ写真である。
このうち、何がどこにあるのかを記したのが下図だ。右側は全ブロックがフル稼働している状態での温度を撮影したものであるが、意外にも一番発熱しているのはCPUコアそのものよりも共有2次キャッシュというのはなかなかおもしろい。
ちなみにBay Trail-TはCPUとGPUでTurbo Boost動作のマージンを共有するほか、Uncoreにあたる部分も細かく電力管理するので、これが完全スリープ時だと下の画像まで温度が下がる。
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