このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

業界人の《ことば》から 第47回

PCプラスの時代の変化にどう対応するか

レノボはNECを吸収したのか? ──敵はPC業界以外から来る

2013年07月09日 09時00分更新

文● 大河原克行

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

むしろNECブランドの製品群を拡げたいのだ

 そして、こうも語る。

 「むしろ、NECブランドの製品群を広げていきたいと考えている。たとえば、今後半年間で、NECおよびレノボの両方のブランドで、タブレットのラインアップを拡充していくことになる」

NECブランドからもThinkPad Tablet 2のような製品が登場するかもしれない

 ラピン社長は、コンシューマPC分野におけるブランドとして、NECの力を高く評価している。そして、この分野におけるノウハウにも敬意を表しているとする。「日本でPC事業を展開する限り、これは守らなければならない資産だ」とする。

 では、経営についてはどうか。

 外野からは、ラピン氏のNECパーソナルコンピュータへの社長就任で、レノボの経営力が強まるという指摘も出ている。

 だがこれに対しても、ラピン社長は、「2011年7月に、両社のジョイントベンチャーがスタートしたときから、日本全体の経営責任は、私が負う体制となっており、それは変わらない」と前置きしながら、「現場の経営体制にも変更はない」とする。

 たとえば、NECパーソナルコンピュータの取締役構成比は、高塚社長の取締役退任などで陣容は変わったが、レノボから3人、NECパーソナルコンピュータから2人という体制には変更がない。また、持株会社のLenovo NEC Holdings B.V.も、レノボから3人、NECから2人という構成比も変わらない。

 そして、NECパーソナルコンピュータが持つ米沢事業場での開発、生産体制を維持するほか、持株会社のLenovo NEC Holdings B.V.におけるレノボが51%、NECが49%の出資比率について、変更がなく、それに関する議論もしていないという。

 「NECブランドを生かし切る」という意味では、これまでの経営体制と変わらないというのがラピン社長の言い分だ。

 NEC レノボ・・ジャパングループでは、2013年度には、国内シェア30%の獲得を目指している。この達成はいまの状況では難しいといえるが、新たな体制でもこの目標は下ろしていない。

 新体制となり、今後どんな製品が出てくるのか。そして、シェア30%獲得に向けて、ビジネスをドライブできるかどうかが注目される。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ