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業界人の《ことば》から 第47回

PCプラスの時代の変化にどう対応するか

レノボはNECを吸収したのか? ──敵はPC業界以外から来る

2013年07月09日 09時00分更新

文● 大河原克行

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PCプラスの時代を見据えた戦略を前倒しに

 レノボグループでは、「PC+」(PCプラス)というコンセプトを提案している。PCに加えて、タブレットやスマートフォン、スマートテレビによる製品展開を進めていく考え方であり、すでに中国ではレノボブランドで、スマートフォンやスマートテレビを投入している。

日本ではPCのメーカーという印象が強いレノボでは、中国市場ではスマートフォン2位のシェアを持つ

 日本の製品投入は、PCとタブレットだけに留めているが、今後の「PCプラス」時代の到来に向けて、それに対応できる体制をいち早く構築したとみることもできる。

 実際、ラピン社長は次のように語る。

 「今回の体制は、社内に向けては昨年10月の段階で発表していた。ただ、この体制への移行は、今後2~3年を経過した将来の体制として発表したものだった。発表から9ヵ月を経て、その間、PC市場は劇的ともいえる変化が訪れた。今回の新体制は、2~3年後の計画を前倒しで実行したものである」

 タブレット、スマートフォン市場の変化に、柔軟に対応するという意味で、迅速に意思決定できる経営体制に、2年前倒しで一気に舵を切ったというわけだ。

 ところで気になるのは、NECブランドのPCの行方、そして、今後の経営の行方だ。

 これに対して、ラピン社長は、NECパーソナルコンピュータの社長の立場から次のように語る。

 「NECブランドのPCが無くなるということはない。私の重要な役割は、NECブランドと、レノボブランドを、日本においてしっかりと守っていくことである。強い信念を持って、国内でのNECブランドの維持に取り組んでいく」とする。

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