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オープンソースソフトウエア活用に潜むライセンス違反のワナ

2013年06月07日 07時00分更新

文● 松下康之/アスキークラウド編集部

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 ソニーモバイルコミュニケーションズのニールセン氏はXperiaの事例を紹介。Xperiaに含まれるソフトウエアの約80%はオープンソースソフトウエアで構成されており、ライセンスの管理には大きな工数がかかっている。ソニーモバイル全体で数千人の開発者が、各自で使用しているコードが規約に準拠しているかどうかをチェックしており、合計で数百にも及ぶコンポーネントを適切に管理することが大きな負荷になっていることを明かした。

 そうした状況に対して、ソニーモバイルではTool-Chainと呼ばれるライセンス管理システムを開発。開発に利用されるコードから、オープンソース・ソフトウエアのライセンスを含むコードを検知するシステムだ。

アップル

ソニーモバイルで利用されているTool-Chainの概要。ヨハン・ニールセン氏のプレゼンテーションより

 プレゼンテーションではTool-Chainの具体的なワークフローを紹介し、ライセンス管理の負荷を自動化である程度軽減していることを解説した。

 日立ソリューションズの渡邊氏は、社内でのプロジェクトとしてライセンス違反の検知を段階的に実施し、確実に成果を上げていることを紹介。オープンソースソフトウエアの開発プロジェクトが、さまざまな部門や協力会社などから構成されているような場合に効果があると解説。全社での導入に意欲を見せた。

 オープンソースソフトウエアのライセンス管理は商用ソフトウエアの管理とはまた違う発想、方法論で取り組まなければいけない問題であることが浮き彫りになったセミナーだった。あなたの会社が使っているオープンソースソフトウエア、ライセンス規約違反していませんか?一度、振り返ってみるいい機会かもしれない。


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