楽曲情報や番組表の提供サービスを行なっているグレースノートが、日本でプライベートイベントを開催。最新技術のデモンストレーションなどを行なった。
グレースノートは1億3000万の楽曲情報と28ヵ国分の番組表のデータベースを保有するメタデータ提供サービス企業。本社はアメリカで、東京やミュンヘン、ベルリンなどに支社を持つ。ソニー・アメリカの子会社ということで、ソニーの製品にその技術が多く採用されている。
まずはテレビで放送中の番組の音声を、スマートフォンやタブレットの音声認識(ACR)で識別し、番組を特定するというデモ。
サーバー側では放送中の番組のフィンガープリント(特定するためのデータ)をデータベースに登録。そのデータを参照して番組を特定した上で、同社のデータベースから関連する情報などを引き出して表示する。
音声認識はリアルタイムで行なわれ、番組の進行とともに情報も更新されていく。アメリカやヨーロッパの約200局のテレビ局の番組でりようできるほか、日本のテレビ局(関東7局、関西6局)にも対応している。
また、音声認識を利用するため、DVDコンテンツなどでも利用可能だ。
上記は音声認識技術だが、映像認識技術のデモも行なわれた。「Video ACR」は現在放送中の番組の映像をテレビ(受像機)側で解析し、番組を特定する。
これによりテレビに関連情報をリアルタイムで表示できる。テレビ受像機が対応している必要があるが、性能的には2年ほど前のテレビでも実現化可能で、ソフトウェアアップデートで実装することもできるという。
このVideo ACRを応用すれば“CMの差し替え”といったこともできる。具体的には、番組CMがはじまる際に、年齢や性別などユーザーのプロフィールに合わせ、そのユーザーニーズに合ったCM(サーバーに保存されているもののオンライン配信)に切り替える、というもの。
アメリカでは今年から2014年にかけて実証実験を行なうとのこと。日本でこのサービスが展開できるかは不透明だが、この映像認識技術自体は音声認識よりも番組の特定にかかるスピードが速い、というメリットがあり、何らかのサービスとして展開できそうだ。