マイクロソフトのWindows製品のひとつとして、「Windows Embedded 8」オペレーティングシステムファミリーがある。
これは、その名の通りWindows 8をベースにした組み込み用OSであり、マイクロソフト Windowsエンベデッドビジネス ビジネスグループリード アジアのジョン・ボラディアン(John Boladian)氏は、「Windows 8が備えるOSとしての基本機能、インターフェース、アプリケーションなどを活用して、組み込みによる特定分野に向けて展開するもの。クラウドへの接続や、ジェスチャーおよびマルチタッチへの対応、そしてセキュリティや管理性に関しても優れたものになっている」と語る。
Windows Embedded 8オペレーティングシステムファミリーには3つの製品がある。
ひとつは、標準バージョンとなる「Windows Embedded 8 Standard」である。これは従来の「Windows Embedded Standard 7」の後継にあたるものだ。
ふたつめは、「Windows Embedded 8 Pro」。従来のWindows Enbeded Enterpriseの後継であり、Windows 8 Proが持つフル機能を組み込み向けに提供するものだ。
そして、3つめが「Windows Embedded 8 Industry」。従来は、「Windows Embedded POS Ready 7」として、POSシステムをターゲットとした組み込み型OSだったが、Windows 8への進化とともに、POSだけでなく、製造業や物量業、ヘルスケア向けにも提供することになる。
「Windows Embedded 8 Industryは、新たな名称が示すように、これまでのようにリテール分野におけるPOS端末への組み込みだけではなく、様々な業界で利用されるインフォメーションキオスクやヒューマン・マシン・インターフェース(HMI) パネル、デジタルサイネージなどにも応用範囲が広がっている。Windows Embedded 8 Industryは、金融業界におけるATMの利用も想定される。ライブタイルをはじめとして、Windows 8によって提供される新たな機能をそれぞれのデバイスに対する独自ニーズと、ユーザーの要件に合致した形で提案ができるようになる」とする。
Windows Embedded 8 StandardおよびWindows Embedded 8 Proは、米国時間の3月20日から、OEMパートナー向けに提供を開始。また、1月からコミュニティテクノロジープレビュー(CTP)を提供していたWindows Embedded 8 Industryは、4月1日の週に提供を始める。
これはWindows 8同様、最初に示したロードマップから遅れることのないスケジュールで投入されるものとなる。

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