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HPネットワーク管理ツール「IMC」のBYODの管理パッケージも!

OpenFlowと10GBASE-Tを身近にするスイッチ「HP 2920」

2013年03月19日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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3月18日、日本ヒューレット・パッカードは、SDNや10GBASE-Tに対応する中小規模向けオフィススイッチのほか、ネットワーク管理ソフトの最新版「HP Intelligent Management Center v5.2」を発表した。50デバイス対応のBYODのインフラを容易に構築するパッケージも用意された。

OpenFlowと10GBASE-Tを身近にするボックス型スイッチ

 ハードウェアとしては、中小規模向けのボックス型スイッチ「HP 2920-24G」「HP 2920-48G」が発表された。

10GBASE-Tに対応したHP 2920-24G

 HP 2920-24Gは1GbEを20ポート、HP 2920-48Gは1GbEを44ポート備えつつ、背面のスロットにモジュールを追加することで最大4ポートの10GbE(SFP+/10GBASE-T)を増設できる。また、専用のスタックモジュールにより、最大4台の2920スイッチをプラグ&プレイでスタック接続できる。さらに80 PLUS Silver認定電源の採用やEnergy Efficient Ethernetなどに対応し、省電力化も実現している。価格面も2920-24Gが24万9900円、2920-48Gが41万7900円と(ともに税込)、かなり低廉だ。

 新製品の目玉はSDNへの対応だ。最新のHPネットワーキング製品では、OpenFlowに対応するファームウェアが提供されており、今回のHP 2920シリーズで業界最多の29機種でOpenFlowに対応することになったという。HPネットワーク製品企画部の尾﨑亨氏は、「もっとも安価にOpenFlowを利用できる。別モジュールやライセンスは不要だ」とアピールした。

日本ヒューレット・パッカード インダストリースタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 HPネットワーク製品企画部 尾﨑亨氏

 また、HP初となる10GBASE-Tへの対応も大きな目玉だ。10GBASE-Tは取り回しの楽な銅線(CAT6EやCAT7)を用いた10GbpsのEthernet規格で、高価なトランシーバーやケーブルが必要な光ファイバーによる接続やSFP+のインターフェイスを銅線でつないだダイレクトアタッチケーブルより、コストを下げられるという。「ダイレクトアタッチケーブルよりも66%オフになる。100mという伝送距離も実現する」(尾﨑氏)とのことで、今後とも10GBASE-Tの製品を積極的に投入していくという。

10Gbps Ethernetにおける選択肢の増加」

管理工数のかかる無線LANでツールは重要

 ソフトウェアではネットワーク管理ツール「HP Intelligent Management Center」の強化が発表された。HP Intelligent Management Center(IMC)は物理ネットワークはもちろん、仮想化環境、有線と無線LANなどのネットワークを統合的に管理できるソフト。尾﨑氏は「有線LANにおいては仮想化により物理デバイスが減るが、無線LANはアカウントもデバイスも増加傾向」と述べ、特に有線と無線を統合したネットワーク環境でこうした管理ツールが必要だと述べた。

包括的な管理機能を備える「HP Intelligent Management Center」

 HP Intelligent Management Centerは、ネットワークデバイスを自動的に検知し、トポロジマップを自動作成。Fault(障害)、Configuration(構成情報)、Accouting(アカウント)、Performance(パフォーマンス)、Security(セキュリティ管理)など「FCAPS」と呼ばれる5種類の管理を、デバイスの種類や数、ネットワーク規模を問わずに行なえるのが大きな特徴。また、HPネットワーク製品はもちろん、220社6000以上の他社ネットワーク機器に対応し、マルチベンダーで利用できる点もポイントとなっている。

 今回発表されたHP Intelligent Management Center v5.2では、100デバイスライセンスが付属した「IMCスタンダード」、200デバイスライセンスが付属した「IMCエンタープライズ」など従来のラインナップに加え、50デバイスの小規模ネットワークの管理を実現する「IMCベーシック」「IMCベーシック+無線LAN」を追加した。機能面では前述した5つのFCAPSのうち、Fault、Configuration、Performanceの3つのみをサポートする機能限定版にはなるが、価格は50デバイスのIMCベーシックが29万4000円、IMCベーシック+無線LANが71万4000円に抑えた。管理デバイス単価で見ると、IMCスタンダードの54%削減を実現する。「中小の顧客だからこそ、きちんと管理したいニーズに応える。3つの管理機能で確実に管理が行なえる(尾﨑氏)。

 これに加え、BYOD(Bring Your Own Device)を目的としたインフラの構築を迅速に行なう「IMC Smart Connect」および「IMC Smart Connect WLAN」を追加した。LinuxとIMC Standard、SQL DBをベースにアクセス制御・認証やプロビジョニング、モニターなどを可能にするソフトウェアを組み合わせ、仮想アプライアンスとして提供する。

BYODに必要なインフラの機能をまとめてパッケージ化した「IMC Smart Connect」

 HPネットワーク製品企画部の伊佐治俊介氏は、BYODの普及に伴って、管理者から見えないシャドーITの割合が拡大し、セキュリティの懸念も高まっていると説明。また、従来のレガシーネットワークはこうしたセキュリティや管理の面でBYODの導入に課題があるとした。

日本ヒューレット・パッカード インダストリースタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 HPネットワーク製品企画部 HPネットワーク製品企画部 伊佐治俊介氏

 今回提供されるIMC Smart Connectではユーザーがポータルで申請すると、IMC User Access Manager Moduleが自動的にデバイスを識別。ポリシーに基づいたアクセス制御を実現するほか、リアルタイムでトラフィックを監視できるという。

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