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10GBASE-T×48、40GbE対応のボックス型スイッチを投入

なぜHPのスイッチ?10GbEネットワークを作ったIDCFが語る

2013年04月17日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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4月16日、日本ヒューレット・パッカードは10GBASE-Tを48ポート実装したハイエンドのボックス型スイッチ「HP 5900AF-48XGT-4QFP+スイッチ(以下、HP5900AF)」を発表した。また、データセンター事業者のIDCフロンティアがHPスイッチ導入の背景を説明した。

IRFやTRILLで伝統的なネットワークを置き換える

 HP 5900AF-48XGT-4QFP+スイッチは製品名の通り、10GBASE-Tを48ポート、40GbpsのQSFP+を4ポート実装したボックス型スイッチ。サーバーやストレージの集線をラック単位で行なえるいわゆる“Top Of Rackスイッチ”になる。1.28Tbpsの最大スイッチング容量を誇るほか、9MBの大容量パケットバッファを備える。また、データセンターの冷却構造に合わせ、吸気と排気の流れを選択できるという。

HP 5900AF-48XGT-4QFP+スイッチ

 HP 5900AFの最大の特徴は10GBASE-Tを高密度実装した点。今までの10GbEでは光ファイバーやダイレクトアタッチケーブルなどの選択肢がメインだったが、距離やコストの問題で悩ましい点が多かったという。これに対して、10GBASE-Tは取り回しの楽なUTPケーブルを利用できるほか、コスト面でも他のケーブルやインターフェイスに比べても安価に済むとのこと。新製品について説明した日本HPの尾﨑亨氏は、「今まで10Gbpsを躊躇していたお客様も、気軽に導入できる」とアピールした。

日本HP インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 HPネットワーク製品企画部 尾﨑亨氏

 また、シンプルでフラットなネットワークを構築するためのIRFやTRILLなどの機能を標準搭載するのも大きな特徴。HP 5900 AFではIPv6やFCoE/DCBも含め、追加ライセンスなしで利用できる。

 IRF(Intelligent Resilient Framework)は対応スイッチを10/40GbEで相互接続することで、単一の仮想スイッチとして動作させるHPスイッチの独自機能。ノードごとに分散処理できるため、ノードを増やせば増やすほど処理能力を向上できる。また、設定や管理を1つに統合できるというメリットもある。尾崎氏は、「スパニングツリーやVRRPなどを使わなくても、アクティブーアクティブの可用性の高いネットワークを構築できる。障害時も高速なトポロジ収束が実現できる」とアピールした。

最大4台のIRF対応スイッチを単一の仮想スイッチとして動作させることができる

 一方のTRILLはレイヤ2でのマルチパス技術で、スパニングツリーの代替としてIETFで標準化されている技術になる。すべてのパスをアクティブで利用するため、ネットワークの帯域を有効活用でき、経路の障害時も自動的に迂回できる。HP 5900では、おもにIRFドメイン同士の接続をマルチパス化する部分でTRILLが利用可能になっている。尾﨑氏は、「シンプルでフラットなネットワークをご提案させていただいている」と述べ、伝統的な3階層ネットワークから仮想化に対応した1/2階層のフラットなネットワークへの移行を訴えた。

レイヤ2でのマルチパス技術であるTRILLを活用

IDCFはなぜHPネットワークを選んだのか?

 発表会の後半では、HP 5900シリーズを導入しているIDCフロンティアのビジネス推進本部 新基盤開発部 井上一清氏がデータセンターの概要や採用理由について講演した。

 IDCフロンティアは都内のほか、北九州や福島県の白河に省エネデータセンターを展開しており、低遅延のネットワークで相互を接続している。井上氏は、昨今はデータセンターの過当競争に陥っており、付加価値を提供するためにクラウドサービスが重要になっていると説明。その一方で、信頼性や可用性が顧客の評価につながってくるとのことで、SLAにも注力しているとアピールした。

IDCフロンティア ビジネス推進本部 新基盤開発部 井上一清氏

 こうしたIDCフロンティアのクラウドネットワークを支える要件として、井上氏は高い集積率、拡張性、安定性、コスト競争力、運用性などを挙げ、数万単位の仮想マシンを安定的に運用する必要があると述べた。HP 5900ではこうした要件を満たしており、IDCフロンティアもIRFやTRILLをフル活用しているとのこと。井上氏は、「仮想マシンの全ポートに全VLANを割り当てなければならなかった。他社はスペックではOKという場合が多かったが、HPのスイッチはきちんと動いた。TRILLのコンフィグも容易だし、異なる棟のネットワークとつなぐ際もIRFも役立っている」と選定について説明した。もちろん、信頼性やサポート体制も充実しているほか、ラインナップが揃っている点も大きなメリットだったという。

 現状、データセンター内の10GbEの接続はDACケーブルを用いているが、「(今使っている)DACケーブルは太くて、取り回しが大変という意見が現場にはある。その点、(10GBASE-Tで使う)細くて柔らかいUTPケーブルは期待している。ただ、対応のサーバーがまだまだ少ない」と述べ、対応サーバーのラインナップ拡大を要望した。

 HP 5900AF-48XGT-4QFP+スイッチの価格は383万2500円(税込)となっている。

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