IPアドレスの状況を一目でチェックできる「IPAM Summery」
「IPAM Summery」のダッシュボードには、DHCPのスコープやサブネット単位でのIPアドレスごとの利用率、動的なIPアドレス割り当ての比率などが棒グラフや円グラフで表示される。現在の状況はもちろん、トラブルなども一目でわかるようになっているのが売りだ。しかも、アドレスの利用率が80%を超えると赤色、60%を超えると黄色とアイコンの色が変わっているので、アドレス枯渇の状況が一目で把握できる。
また、サブネットやDHCPスコープが不足する前に、予防的にアラートをあげることも可能なので、管理者はいち早くアドレス枯渇の状況を把握できる。こうしたダッシュボードの各種グラフはPDFにエクスポートできるので、管理者にとってはうれしいところだ。
IPアドレスやホスト名、MACアドレス、ベンダー、ロケーションなどさまざまな条件での検索機能も備わっている。さらに対象のIPアドレスが過去に割り当てられた履歴を追跡することも可能なので、資産管理やセキュリティの観点で気になる端末を検索するのに威力を発揮する。最新のイベントも時系列でリアルタイムに表示されており、まさに見える化のメリットが体感できるだろう。
詳細なアドレス利用を調べる「Manage Subnets & IP Addresses」
IPAM Summeryでサブネットをクリックすると、今度は「Manage Subnets & IP Addresses」にジャンプする。こちらではエクスプローラーのビューで、サブネット単位でのIPアドレスの利用実態を瞬時に把握できる。IPアドレスはUsed(使用済み)やReserved(予約済み)のほか、Available(割り当て可能)Transient(動的割り当て)などで分類されており、表形式だけではなく、グラフで動向をチェックすることができる。
スキャン機能により、使用中のアドレスはもちろん、未使用アドレスや動的なアドレス、予約済みのアドレスを簡単にリストアップし、最適に配置することが可能だ。サブネットの生成もウィザードから利用できるほか、台帳として作っておいたスプレッドシートをインポートすることも可能だ。
DHCP/DNSサーバーを管理する「DHCP & DNS Management」
SolarWinds IPAMはIPアドレスを配布するDHCPサーバーのスコープやドメインを管理するDNSサーバーのゾーンまで一元管理できる。つまり、設定をチェックするだけではなく、設定を直接流し込めるわけだ。IPAMのベースエンジンであるOrionコアにDHCPとDNSサーバーを登録することで実現され、最新版ではMicrosoft DHCP/DNS管理、Cisco DHCP管理とCisco Adaptive Security Appliances (ASA)などに対応している。
「DHCP & DNS Management」のメニューでは、DHCPサーバー、スコープ、DNSゾーン、DNSサーバーなどがタブを切り替え、DHCPであれば、各IPアドレスを配布するスコープ、ドメイン名を登録したゾーンなどをそれぞれ管理できる。ここで特筆したいのは、DHCPサーバーの負荷を軽減するSplit Scopeの機能だ。これは名前の通り、スコープを分割し、別のDHCPサーバーに振り分ける機能。分割するスコープを選択し、振り分け先のサーバーとアドレスの範囲を指定すればよい。当初のアドレス配布計画から大きく外れてしまった場合に役に立つ機能だ。
こうして使ってみると、自動化・見える化の実力をまさに体感できる。IPアドレスだけではなく、ドメイン名やMACアドレスなども含めた総合的なアドレス管理が実現し、管理者に大きな省力化メリットをもたらしてくれる。価格も低廉で、しかも実際に割り当てられているIPアドレス数分のみライセンス対象となるユニークな課金制度を用いているので、無駄がない。複数拠点での管理にも対応しているので、中小・中堅企業のネットワーク管理者はぜひ試用してみよう。
(提供:ソーラーウィンズ)