11月27日、NECと東洋熱工業、NECフィールディング、NSKの4社は、ICT機器から排熱される高温空気とサーバー室内に取り入れる空気との温度差を利用した自然換気によって、空調エネルギーの大幅削減が可能な「高効率省エネ型データセンタモジュール」を開発したと発表した。
これは、独立行政法人科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業CRESTの採択テーマである「ULPユビキタスセンサのITシステム電力 最適化制御への応用」のシステム実験グループとして取り組んだ共同研究の成果とのこと。ICT機器の製造(NEC)、空調エンジニアリング(東洋熱工業)、コンテナ型データセンターの製造販売(NECフィールディング、NSK)など、それぞれの立場からサーバーの動作情報や運用形態、室内の空流、温度分布の変動メカニズムを明らかにすることで、ICT機器側と空調側の双方の特性や要求を融合したデータセンタモジュールの開発が可能になったという。
このモジュールは、通常のコンテナ型データセンターで利用する輸送用コンテナを組み合わせて利用できるサイズに設計。モジュール内に1列に並べたラックの吸気側のモジュール側面下部に外気を取り入れる外気流入口、外気流入口と反対側のモジュール側面上部にラックからの排気の流出口を設けている。
流入口から取入れた外気とサーバーの排熱を駆動力として利用し、さらにモジュール内での煙突効果を高めるよう排熱促進機構を設置することで、換気用のファンを用いない自然換気システムを構成し、サーバー室内の冷却・排熱を可能としている。奥行きが6.0mのモジュールでは、1ラックあたり8kWまでのラックを6ラック設置できる。