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熱力学第二法則を超えて熱伝導を自在にコントロールできるかもしれない

原研、磁場により熱移動が変わる現象を理論解明

2014年12月17日 18時16分更新

文● 行正和義

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熱流が磁場で曲げられるイメージ図 

 独立行政法人 日本原子力研究開発機構は12月12日、絶縁体の中を流れる熱流が磁場によって向きを変える現象「フォノンホール 効果」を理論的に解明したと発表した。

 原子の振動によって伝わる熱は、温度の高いところから低いところに拡散し、その方向を制御することは一般的に難しい。フォノンホール効果(熱ホール効果)は、非磁性絶縁体のTb3Ga5O12(テルビウムガリウムガーネット)に温度勾配を与えつつ磁場を掛けると熱の流れる向きが変わるという現象で、2005年に発見されたが、その原理は未解明だった。

 日本原子力研究開発機構・先端基礎研究センターをはじめとする研究グループは、テルビウムイオン(Tb3+)の四重極モーメントに着目、その電子状態と原子の振動との相互関係について計算したところ、電子の向きが互い違いに均衡している状態に対して磁場を加えるとその均衡が崩れて熱の流れを変わるという結果を得た。計算結果はフォノンホール効果の実験結果と一致し、効果の温度依存性に関しても計算結果と実験結果は一致した。

磁場によって出ていく熱流の均衡が崩れる様子(イメージ) 

 フォノンホール効果はその現象を利用したセンサーなどが実際に使われているが、これまで原理が分からなかった現象が理論的に解明されたことにより、熱移動を高効率に制御する技術を実現できる可能性がある。原研では、原子力エネルギーを用いた熱の効率的な取り出しや利用、さらには高効率な熱電対(熱を電気に変える素子)などさまざまな活用が考えられるとしている。

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