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ソフトウェアによる実現で新たな通信装置不要

3分後の的中率8割!NECがスループット予測技術

2012年11月27日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 11月26日、NECはインターネットやモバイル通信網(3G/LTE)において、変動する通信スループットを、アプリケーションソフトウェアで高精度に予測する技術を開発したと発表した。

 この技術は、ネットワーク上に新たな通信装置を追加せずに、ソフトウェアだけで3分後まで通信スループットを高精度に約80%の精度で予測 するというもの。

 通信スループットには、安定的に変動する状態(定常状態)と不安定に乱高下する状態(非定常状態)が複雑に混在することを解明。時系列データの分析手法である「単位根検定」を用いて、現在のスループットの状態(定常/非定常)を判別する。その上で、判別したスループットの状態に応じて定常モデルと非定常モデルを混合し、現在から3分先までのスループットの予測モデル(混合モデル)を作成して活用する。これにより、時々刻々と変動するスループットの状態に応じた、高精度な予測をリアルタイムに実現するという仕組みだ。

 本技術により、通信装置を持たないクラウドサービス事業者でも、予測値に応じて即座にデータ通信を制御でき、高品質なクラウドサービスの提供が可能になるとしている。

 具体的には、インターネット上のコンテンツ配信事業者は、予測した通信スループットに応じて映像や音声の品質を制御し、途切れのない安定した視聴を実現する映像配信サービスを提供できる。また、予測した通信スループットに合わせて画像サイズや表示コンテンツを調整することで、応答性の高いWebサービスの実現も可能だ。

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