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NFCの離陸遠のくアメリカ、モバイル決済の新しいトレンドは?

2012年11月24日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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既存の決済システムの上に
モバイル決済のインフラコストが上乗せされるだけでは……

 その小売店側の状況はどうなのだろう? HomeDepotのバイスプレジデント、Dwaine Kimmet氏は「(モバイル決済の)技術がたくさんありすぎる」と述べた後、NFCを検討したことを明かした。だが「恐怖を感じた」とKimmet氏は語る。というのも、インフラ側で複数の読み取り機を導入することになるのではないかと感じたと言う。

 NFCや非接触カードの懸念については、「(カードを置き換えただけで)既存の決済技術をモバイル決済に利用している。既存の決済の仕組みやシステムは小売りにとって非常に高価だ。業界全体にとって最悪の事態は、これまでのコスト構造を(再び)モバイルの世界にも移行しなければならないという事態」と述べ、「モバイルを、古い決済構造からの移行のきっかけにしたい」との期待を語った。HomeDepotは単なる携帯電話を使った決済から、オンラインとモバイルのショッピング体験を結びつけることを目標に、携帯電話番号とPINで決済ができるPayPalのソリューションを導入しているという。

 世界最大手の小売店Walmartも、別のパネルでモバイルと決済について自社の取り組みを語った。登壇したWalmartのモバイルおよびデジタル担当上級副社長のGibu Thomas氏は、一部店舗で位置情報サービスを利用してユーザーに商品の場所を知らせるサービスのテストを行っていることを明かした。

 Google WalletやISISについての意見を求められると、注意深く動向を見ているとしながらも、「顧客は決済に携帯電話を利用しようとは思っていないようだ」と述べ、現時点ではNFCを導入する価値を感じていないとした。HomeDepotと同様に、インフラコストもネックになっているようで、さまざまな技術を導入することで1回の決済あたりのコストをこれ以上、上げたくないとも漏らした。

 Google Walletに参加するSprint以外の3キャリアが主導して進めるISIS(Google Walletの競合と位置づけられている)に参加するT-Mobile USAの最高マーケティング責任者(CMO)、Andrew Sherrard氏もイベント中、基調講演を行いISISに触れる機会があった。Sherrard氏はここで、「ISISの離陸を望むが、われわれは顧客が受け入れるソリューションを提供していく」とも述べ、ISISにこだわらない考えをのぞかせた。

 このように、モバイル決済としてのNFCが離陸するのは先となりそうだ。会場では、アプリベースで加入している店舗でスマートフォンから発注と決済ができるGoPaygoなどのベンチャーがソリューションを展示しており、位置情報との組み合わせの模索が進んでいると感じた。

GoPaygoは主としてレストランで事前にオーダーと決済ができる新しいサービス。まだサンフランシスコなど一部でしか利用できない。写真はユーザー登録画面。ここでクレジットカードの登録などを行う。これまでの利用履歴もチェックできる

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