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Samsung&LGが語るWindows Phone 8とタブレット端末

2012年12月02日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 Android、Windows Phone 8など、モバイルプラットフォームの複数化やタブレットの登場とモバイル業界の動きが激しくなっており、メーカーの顔ぶれにも変化が出ている。

 シェア最大手の座を獲得し、Appleとともに新しいモバイル時代の主役となったSamsung。同じ韓国のLG Electronicsの幹部が11月初めに、サンフランシスコで開催されたモバイルイベントで、業界の状況やプラットフォーム戦略について語った。

 パネルはデバイスの将来をテーマとしたもので、Samsungの最高製品責任者であるKevin Packingham氏、LG副社長のYongseok Jang氏、Qualcommのインターネットサービス担当社長のRob Chandhok氏、モバイルゲーム開発GluのCEO、Niccolo De Masi氏の4人が参加した。

左からパネリストを務めたIDGアナリストのJohn Jackson氏、SamsungのPackingham氏、LGのJang氏、GluのDe Masi氏、QualcommのChandhok氏

主導権はオペレーターからコンシューマーへ
スマホ時代は製品数が減り、1台1台が重要に

 「モバイル業界は音声品質とSMSでスタートし、その後モバイルのバリューが加わり、ここ数年はユーザー体験が重要になった」と語るのはQualcommのChandhok氏だ。LGのJang氏は「ゲームのルールが変わった。エンドユーザーがどのような機能やユーザー体験を得るのか、これを左右する人がエンドユーザー自身になった」と述べる。「単にオペレーターのショップにLGの携帯電話を置いてもらうだけでは不十分。自分自身で顧客やユーザーのハートをつかむ必要がある」と続ける。

 スマートフォン時代でやや停滞するLGは、フィーチャーフォン時代はエコシステムの主導役だった携帯オペレーターとの良好な関係により業界をリードしてきた。だが昨年は業績が落ち込み、モバイル事業の存続を危ぶむ声もあった。「環境の変化に適応するのに手間取ったが、カムバックした」と復帰戦略の経過に自信を見せた。

 端末側の変化としてSamsungのPackingham氏、LGのJang氏の両氏が挙げた傾向が、投入する製品数が減ったことだ。スマホ時代以前はとにかく多数の機種を投入し、その中から出るヒット端末でリスクバランスをとる戦略だった。だが、ここ数年は「投入する台数が少なくなり、1台が大きな賭けになっている」とSamsungのPackingham氏は述べる。

 自社のスマートフォンに自信をみせながらも、今後の流れとして、TV、PC、カメラ、冷蔵庫などさまざまな家電との連携を消費者は期待していると述べた。これをどのように統合、実現していくか、どのようなユーザー体験を提供するかが課題だという。

 LGのJang氏も「市場がよりグローバルになり、機種数が減った」と同意する。一方で、途上国はスマートフォンが普及していないことに触れ、「セグメントアプローチをとっていく」と述べた。SamsungのPackingham氏が挙げた家電との統合については、「技術が原因で実現できないというより、ビジネスモデルの問題」とした。Samsungをはじめとした他社製品との協業が必要なことを認めながら、「LG同士については付加価値を付けるなどして差別化を図る必要がある」と述べた。

 GluのDe Masi氏は、「Nexus」シリーズのGoogle、タブレットの「Surface」「Kindle」をスマホに拡大すると憶測もあるMicrosoftとAmazonなどを指しながら、Appleのような「垂直統合型が今後も進むだろう」と予想した。

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