店舗側にハードウェアが必要なNFCは
期待されつつも、なかなか普及が進まない
モバイル決済というと、おサイフケータイが浸透している日本ではNFCのような非接触型IC技術がまずは思い浮かぶ。実際に世界的にみてもNFCへの期待は高い。
だが日本のようにインフラ、端末、サービスが揃った形で成功している市場はまれであり、“携帯電話をかざして支払い”は世界的に見れば、相変わらず一般的な決済手段にはなっていない。そんな風にNFCへの期待疲れが出てきたところで、アメリカで別のモバイル決済方法がじわじわと支持を集めつつある。今回はそのリーダー的存在であるSquareを中心に、アメリカ発のトレンドをみてみたい。
スマホを使ってカード決済を可能にする
小規模事業者向けのサービスが注目を集めている
今春アメリカでタクシーを利用する機会があった。それなりの金額だったこともありクレジットカードを出したところ、タクシーの女性運転手はiPhoneを取り出し、私のクレジットカードを手にカードの番号を入力し始めた。
そして私が金額が表示された画面を確認して、指でサイン。これで決済が完了した。数時間もしないうちに、決済内容が書かれた電子メールが届く――こんな小規模事業者向けのカード決済サービスがSquareである。16ケタのカード番号入力に時間がかかったこと、相手にカード番号を入力される状況に不安がよぎったことをのぞけば、大きな問題を感じないスムーズな体験だった。
このようにカード番号をマニュアルで入力する場合もあれば、iPhoneやAndroidスマートフォンのイヤホンジャックに差し込める専用(しかも無料)のカードリーダーを利用するタイプもある。事業主は決済額から一定の手数料をSquareに支払うのみだ。
NFCならICリーダーに代表されるインフラを整備しなければならないところだが、無料のカードリーダー、さらには数字を入力するだけでもよいとなれば導入のコストや手間は著しく下がる。さらにスマートフォンが決済端末になるので、その場で決済できるのだ。タクシーは好例で、このほか店舗(レジやPOS端末)を構えない市場や出前販売、プールやリゾード地での決済にはもってこいに感じる。Squareは先に、ニューヨークのタクシーでiPadを利用した決済ソリューションとして採用されたようだ。

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