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行っとけ! Ubuntu道場! 第60回

~師範、組版システム「TeX」について教えてください!~

2012年09月13日 12時00分更新

文● 水野 源(Ubuntu Japanese Team) イラスト●瀬尾浩史

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TeXってなんだ?

ミズノ:とまあ、佐々木さんと言えばDebianとか数値計算とかRubyとかなお方なのですが、今回は「TeX」について話していただこうかと。

編集S:「TeX」というと、組版を作るアレか!

やまね:佐々木さんはTeXラブな人でもあるんだよね。

佐々木:しかし、この中にTeXを日常的に使ってる人っているんでしょうか?

小林:ちょっと聞いてみましょう。「そもそもTeXを使った事が無い」という人いますか?

さかもっちー:

やまね:Debian勉強会の資料がTeXなので、強制的に見よう見まねで。

あわしろいくや:使ったことありますよー。Vineで!

ミズノ:Debian勉強会の資料をビルドしたすよ。Vineで!

佐々木:Vine大人気だな!

小林:Vineは日本語環境が充実していることでも有名なディストリですよね。

hito:さかもっちー以外はみんな触ったことあるみたいだけど、読者様向けに説明よろしく。

さかもっちー:その前に……「TeX」が読めないぐにゅう……。

あわしろいくや:「テフ」ですな。

小林:「テック」と読む人もいますね。

佐々木:TeXの前にまず「組版」を説明したほうがいいのかな?

編集S:「組版」ってのは……そもそも「印刷物」にテキストや図版を並べるときには、どんなサイズの紙に、紙のどのあたりに、どんな文字で、どんな並べ方で、文字や図版をレイアウトするか、などなど、考慮しなければならないことが沢山あるわけよ。このレイアウト作業が「組版」ね。

hito:ほかにも行分割・単語を分割する場合はどこで分割するか、 ハイフネーションの扱い、リガチャ、カーニング、ルビ、句読点を含めた禁則処理、なんかも考慮する必要があって大変です。

小林:編集Sさん、詳しいですね!

編集S:いや、私の職業をなんだと……。

さかもっちー:ハリセン魔人ぐにゅう?

編集S:そんなドラクエのモンスターみたいな職についた記憶はない!

ミズノ:じゃあ海兵隊の鬼軍曹?

やまね:じゃあ美少女好き?

編集S:き、貴様ら。校了したら覚えとれよ……。

さかもっちー:ところで、リガチャとかカーニングって何ぐにゅう?

小林:コンプするまでガチャを回し続けることですか。

あわしろいくや:ちげー。超ちげー。

佐々木:ないわー。

hito:隣りあう文字の組み合わせによっては、文字間の余白を調整した方が綺麗に見えます。これを調整する処理がカーニング。リガチャは複数の文字を合成した文字のことですね。

佐々木:そしてTeXですが、オリジナルTeXの作者はドナルド・クヌース先生というお方です。このお方は数学者かつ計算機科学者でして、「The Art of Computer Programming」という非常に有名な著書があるのですが……。

小林:あるのですが?

佐々木:この本を出版するとき、その組版のあまりの汚さにぶちキレたクヌース先生が、自分で作ってしまった組版処理系がTeXです。

hito:簡単に言うと「俺は史上最高のソフトウェアの教科書を書くぜ!」と言い始めた人が、「教科書の組版をするために」作っちゃったシステムですね。

編集S:ちょっ。

あわしろいくや:自分にとって必要なものが、なければ自分で作る。素晴しいですなあ。

ミズノ:プログラミング言語作っちゃう人なんかと同じですかね。実にハッカー的な発想。

瀬尾浩史:既存のものに満足できない時に、自分で新しいものを作るのは基本ペン! アニメ本編に満足できず、自分ストーリーを描くとかよくある話ペン!

hito:それは薄い本の話なんじゃ……。

さかもっちー:TeXと同人誌はハッカー精神の象徴。さかもっちー覚えたぐにゅう。

やまね:いいのか、そんなんで。


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