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痛車でラリー! メロンインテ3年目は頂点への戦い 第7回

痛車が増えた全日本ラリー

メロン号絶体絶命! モントレーラリーで悪夢のクラッシュ

2012年09月03日 19時00分更新

文● 中村信博 ●撮影/中島正義、うえのふみお

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群馬スペシャリストの称号を得るために!
だがしかし……

 午前9時15分。沿道を埋め尽くしたたくさんの観客に見守られながら、ゼッケン16「メロンブックスDUNLOPテインBRIGインテグラ」がスタートランプへ。「新・群スペ」の座をめぐる戦いの火蓋が切って落とされた!

たくさんの観客に見守られながら、メロン号はスタートランプへ。両脇の観客とハイタッチしながら進んだ先でオフィシャルのタイヤチェックを受け、戦場へと旅立っていく

続々とスタートしていくJN-3クラスのライバルたち。はたして、この中で何台が最後まで生き残るのか?

今回、全日本ラリー選手権に俳優・哀川翔選手が帰ってきた。彼がステアリングを握るのは、カーボンカラーが目を引くトヨタ86。TEAM SHOWからは今回2台の86が参戦していて、もう1台はD1ストリートリーガル出身の小橋正典選手が担当する

競技車両が出発して静けさに包まれたサービスパーク。まるで人っ子一人いないように見えるけど、みんなあまりの暑さにテントの日陰から出てこないのだ……!

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS1/Haruna-Ⅰ
(6.509km)
3:15.2(TOP)3:15.2(TOP)
SS2/Sibukawa Park Reverse-Ⅰ
(0.397km)
0:22.1(+0.6)3:37.3(TOP)

SS1/Haruna-Ⅰ

眞貝知志選手「漆戸選手と組んで初めてのSS、いきなり超のつく高速ステージでした。 中盤でイン側の出っ張ったガードレールに摺ったり、ハードブレーキングで姿勢を乱したりしましたが、これは自分のちょっとしたミスですね。思いっきり攻めた結果、2番手にキロ1秒の差をつけるベストタイムでスタートすることができました」

 これまでのメロン号の戦いぶりは、序盤で他を圧倒するタイムを叩きだして一気に展開を有利にするパターンが多かった。今回もSS1で後続に1kmあたり約1秒をつけるベストタイムを奪って、いつもの勝利パターンどおりの戦いぶりを見せている。

 ところが、SS1を終えて渋川ラリーパークに戻ってきたメロン号の姿を見て、筆者は目を疑った。なんとメロン号の左サイドに軽く接触した跡があり、ウインカーが外れて垂れ下がっていたのだ。後でSS1のインカー映像を見てみると、1分36秒の地点にあるコーナーの内側にあったガードレールの先端に、左側面をヒットする衝撃音が記録されていた。正確なライントレースを身上とする眞貝選手にしては、これは非常に珍しい事態だ。

 観客ステージのSS2では0.6秒差の5番時計だったが、SS1でかせいだマージンが活きていて順位に変動はない。それよりも、さっきの予想外の損傷が気にかかる。もし、こちらも想定していなかった何かが原因となって、あの損傷が引き起こされたとするなら……そしてその不安は、直後に最悪の形で現れることになる。

 SS3「Miyama-Ⅰ」。デイ1最大の勝負どころと目していたこのステージ、SSタイム速報ではゼッケン17のクスコ86のタイムが表示されているが、その1分前にスタートしたはずのメロン号のタイムが……どこにも、無い!

SS3/Miyama-Ⅰ

眞貝選手「今回の勝負どころと踏んでいたこのステージ。前半区間は我慢、後半のダウンヒルで一気にタイムを稼ぐ心づもりでスタートしました。自分自身、特に焦ることもなくこなせていたつもりですが、ちょっと漆戸選手とのコンビネーションにちぐはぐなところがありましたね。
 そして、中盤区間。 漆戸選手は間違いなく「フラット6R 70 2R」とコールしてくれていましたが、私の頭には「フラット6R 70」が残ってしまっていて、2R(2速または1速の低速コーナー)にフラット6R(4速全開)で入ってしまいました。気付いた瞬間はもちろん時すでに遅し。反射的に立木を避けて沢に向かってダイブ! ……怖かったです。
 幸い沢の手前の柔らかい土手でクルマは止まり、ミスの大きさの割には小ダメージで済みました……モントレーでの夢が散った瞬間です」

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