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スマホを意識し、使い手を中心とした新たな提案

変わるデノンのヘッドフォン、米国人PMに狙いを聞く

2012年09月04日 20時30分更新

文● 小林 久、写真●神田喜和

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用途ごとに最適化された“最高の音質を”

 100年の歴史の中でデノンが追求してきたのは、常に“オーディオとしての品質”でした。今後はこれに“Lifestyle Approach”を加えます。“Best in Class”のオーディオパフォーマンスをスポーツや移動中、家の中でゆっくりとくつろぐといった様々なシチュエーションで提供することが重要であるという結論です。

 これはヘッドフォンに限った話ではないのですが、根底にある思想として「ソースが一番重要である」という考えがあります。カセットテープやCD、MP3……など、時代とともにメディアも変遷してきました。さまざまな選択肢の中で有力なものを見極めることが、常に求められていますが、現在ならスマートフォンがそれでしょう。

オーディオ愛好者の期待に応えるハイエンド機

 それでは4種類用意した製品カテゴリーについて見ていきます。

 まずMUSIC MANIACはクラシックなオーディオファイル(愛好家)が対象です。音質面ではフラットな特性を目指しつつ、新しいスタイルも取り込んだ。従来機種の特徴だった木製のイヤーカップは継承しつつ、新しいドライバーを開発しました。

 オーディオの場合、ケーブル交換は重要なポイントです。ユーザーを詳しく調査すると、ハウジングを外して、自作のケーブルを取り付けている人もいるようです。ただメーカーとしては、せっかくの高級ヘッドフォンをバラしてまで改造してほしくはないという思いがあります。そこで着脱式のケーブルにして、ユーザーが自由にケーブル交換を楽しめるようにしました。

ヘッドフォンを掛けるためのスタンドなどオプションにもこだわっている

 製品には2種類のケーブルが付属します。iPhone用のリモコンとマイクを付けた1.3mのケーブルと、Hi-Fiやホームシアターなど“自室で聴くため”に使う3mのケーブルです。純度の高いOFC(無酸素銅)を利用する点は同様ですが、1.3mのケーブルはラバー製、3mは布製のジャケットにすることで、用途に合った質感も追求しています。

新しい世代の音質趣向、使い方を検討

若者向けに企画されたURBAN RAVERからAH-D400EM

 URBAN RAVERは、MUSIC MANIACよりも若い世代を狙った製品です。彼らはR&B、テクノ、Jポップなど聴く音楽も異なり、フラットな特性であることよりも、力強い低域が得られることを好みます。

 こうしたプレイフルで若いニーズに応えるために、ヘッドフォン内にアンプや充電池を内蔵した製品を投入しました。低域のブーストが利いたサウンドに加え、アンプなし(パッシブ駆動)での使用も可能です。ユーザーは2種類の“Sound Signature”(音質傾向)を自由に選べます。

 デザインや操作感もまた重要なポイントです。ハウジングには青色LEDが光る“コントロールホイール”も用意されていて、前後に回すことで音量調節。押し込むことで一時停止となります。マイクを内蔵し、リスニング中に着信があった際にも、ワンタッチで電話に出られる。これらはアップルとパートナーシップを結び、特許をとった技術です。

側面のホイールをリモコン代わりに活用できるなど、操作感にもこだわった

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