このページの本文へ

スマホを意識し、使い手を中心とした新たな提案

変わるデノンのヘッドフォン、米国人PMに狙いを聞く

2012年09月04日 20時30分更新

文● 小林 久、写真●神田喜和

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

スポーツを意識するということの難しさ

 EXERCISE FREAKは、スポーツを意識しています。全米家電協会(CEA)の調査によると音楽を聞きながらのフィットネスは、20%以上の高い効果が見込めるそうです。

EXERCISE FREAKからAH-W150BUEM。ほかにブラックとイエローのカラバリがある

 音楽と運動の関係は素晴らしい。ただし、ケーブルをどう扱うかは、難しい問題です。

 例えばベンチプレスでは、寝転んだ姿勢で腕を上げ下げするので、かなり高い確率でケーブルを引っ掛けてしまう。そこで、エクササイズには、Bluetooth 3.0とリチャージャブル・バッテリーを内蔵したヘッドフォンが最適と考えました。エクササイズ中に音声で指示すれば、Siri(iPhoneの音声認識機能)のアクティベートも可能です。

素材やボタンの押し心地にもこだわったという。蛍光素材を使用し、夜間のジョギングでの安全性も考えた

 ボタンの押し心地にも苦労しました。裏面のエアクッションをやわらかくして、走ったり、激しいスポーツをしながら、強く押しても不快にならないよう配慮しています。また、忙しいビジネスマンの中には、夜遅い時間に運動する人も多いでしょうから、バックバンドには反射材を使用しています。

 実はこのヘッドフォンは試行錯誤していく中で、プロトタイプから大きく変更が加えられた製品です。

 量産品では片側にBluetoothレシーバー、片側バッテリーを内蔵していますが、プロトタイプではこれらの部材をネックバンドに集約していました。ジョギングなどで使うぶんには問題がないのですが、テストを続ける中で、ヨガやウェイトトレーニングなどフロア・エクササイズをするには首に当たって不快となる点に気付きました。

 イヤホン部分の素材や構造もいまよりは堅くて、装着しにくいという意見があったのです。

 今回のヘッドフォン開発では、(補聴器などを手がける)スターキー社と協業し、4000種類もの耳型を集めています。その過程で男女間で耳の形が違うといった面白い発見もありました。男性は耳の穴が弓のように曲がっているのに対し、女性はまっすぐなんですね。

 いい音を実現するためには、耳そのものを詳しく勉強しないといけないと感じました。ヘッドフォンを意識せず、音楽だけを感じるのが理想だと、ユーザーは思うはずです。

カテゴリートップへ

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中