すでに半数を占めるようになったミラーレス機
だが、これに対して、先行するメーカーは、依然として強気の姿勢を崩さない。
パナソニック グローバルコンシューマーマーケティング部門AVCマーケティング本部の西口史郎本部長は、「一眼レフカメラで高いシェアを持つメーカーが、ミラーレス一眼市場に参入してきたが、我々にとっては大歓迎」と前置きし、「ミラーレス市場全体が活性化することになる。そして、もともとは我々の土俵であり、そこに入ってくるという状況。まったく恐れることはない」と語る。
続けて、「日本の市場では、ミラーレス一眼カメラのシェアが50%をまもなく超えるだろう。我々はその成長市場において、トップシェアを獲得していく」と強気の姿勢を崩さない。
BCNの調べによると、今年6月のミラーレス一眼カメラのメーカー別市場シェアは、オリンパスが33.8%、パナソニックが29.1%と、先行する2社が圧倒的だ。続いて、ソニーの15.1%、ニコンの14.5%と続く。この市場にキヤノンがどう割ってはいるのか。出荷が開始される9月以降の注目点である。
パナソニックの西口本部長が指摘するように、ミラーレス一眼カメラの国内市場構成比は、一眼カメラ(レンズ交換式カメラ)市場において、すでに半分近い構成比を占めようとしている。
BCNの調べによると、今年5月のミラーレス一眼カメラの構成比は46.2%。商戦期となる昨年12月には48.6%。そして、今年1月には52.4%と初めて過半数を突破している。
パナソニックによると、全世界では、ミラーレス一眼市場は約20%に留まっているが、日本では市場構成比が一眼カメラ全体の43%に達しているという。また、香港では44%、台湾では54%と過半数に達するなど、アジア市場におけるミラーレス化が進展しているのがわかる。
キヤノンの調べでも、2011年度は年間147万台の国内一眼カメラ市場において、58万台がミラーレス一眼カメラだったとし、2012年度は年間185万台の一眼カメラ市場のうち、42%となる78万台に達すると予測している。こうしてみると、欧米に比べて、日本およびアジア市場は、まさにミラーレス先進国といった様相だ。
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