日本でUltrabookと言えば、だいたいが実売価格10万円以上で15万円を超える製品もある。一昔前のモバイルノートに比べれば安価なのは間違いないが、米国では800ドルを切る製品も珍しくないことを考えると、割高感は否めない。
しかし日本でも、アンダー10万円で手の届きやすいUltrabookはある。Ultrabookレビュー特集2本目で取り上げるのは、レノボの「IdeaPad U310」(以下U310)。直販価格がほぼ8万円、安価な販売店なら7万円を切る価格で販売されているUltrabookだ。8万円以下で買えるUltrabookの実用性を確かめてみた。
低価格ながらツボを押さえた仕様
インターフェースも充実
U310第1の特徴は、8万円前後という価格に対して充実した仕様にある。CPUにはCore i5-3317U(1.70GHz)を採用し、ストレージには500GBのHDDを搭載している。Ultrabookの規定には、「7秒以内での休止状態からの復帰」や「アクティブ時の応答性を高める」機能が定められており、HDDだけでこれを実現するのは困難だ。U310は32GBのSSDをキャッシュメモリーとして内蔵しているので、休止状態からの復帰はもちろんのこと、電源を入れてOSが使えるようになるまでの起動時間も速い。
評価機での実測は、電源オンでの起動(いわゆるコールドブート)でも、25秒以内にWindowsにログオンしてアプリケーションを起動できるようになった。ストレージをSSDだけで構成したパソコンよりは遅いかもしれないが、この速さは実に快適だ。HDDゆえの大容量も、たくさんのアプリケーションやコンテンツを取り込んで使いたいという場合には安心感がある。
ボディー形状は、レノボの第1世代Ultrabook「IdeaPad U300s」を継承した、閉じた本のようなフラットなデザインとなっている。ボディーサイズは幅333×奥行き225×高さ18mm。厚みはUltrabookの規定ギリギリだが、側面の厚みが一定なのでUltrabookとしてはインターフェース類が充実している点も特徴だ。
まずUSB端子はUSB 3.0が2ポート、USB 2.0は1ポートの計3ポートを備える。HDMI出力も標準サイズで備えるほか、メモリーカード用として「2in1 メディア・カード・リーダー」(SD/MMC対応)を本体前面に備える。Ultrabookでは省かれることの多い、有線LAN端子も内蔵している。ただし有線LANの対応規格は10/100BASE-TXなので、IEEE 802.11nで良好な接続を確保できていれば、実効転送速度は無線LANと大差がないかもしれない。
U310は、本体のカラーバリエーションを3色用意している。写真の評価機は発売中の「グラファイトグレー」。このほかに、写真のボディー部分が白で天板部分が明るいブルーの「アクアブルー」と、ボディーが白で天板が薄いピンクの「チェリーブロッサムピンク」が、7月27日に発売の予定である。
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