ニコン「D800」&キヤノン「EOS 5D Mark III」の画質総チェック!
2012年04月11日 12時00分更新
ニコンオリジナルのダイナミックレンジ拡張機能
「アクティブD-ライティング」
D800には「アクティブD-ライティング」と呼ばれるダイナミックレンジ拡張機能が備わっている。これは従来機種(D700)から搭載されている機能で、HDRのような多重露光による階調拡張ではなく、デジタル処理により階調を広げるもの。
アクティブD-ライティングの撮影サンプル
白飛びと黒ツブレ、両方に効果があるが、あくまでも補助的な機能。任意にライティングを行なう場合などでは意図せずに補正されてしまい、思い通りのコントラストにならない場合がある。スナップ撮影ならば基本的にオートにしておいて問題はないだろう。
EOS 5D Mark IIIは2種類の
ダイナミックレンジ拡張機能を用意
EOS 5D Mark IIIにも、白飛びと黒ツブレの両方を防ぐ「オートライティングオプティマイザ」と、文字通りハイライト側の階調を広げる「高輝度側・階調優先機能」という2つの階調拡張機能が搭載されている。
かつては両方を同時に利用できた(効果があったかは別にして)が、EOS 5D Mark IIIでは排他使用に変更され、高輝度側・階調優先機能をオンにしているとオートライティングオプティマイザは機能しない。
オートライティングオプティマイザ
高輝度側・階調優先機能の撮影サンプル
オートライティングオプティマイザは主にシャドー側に効果があり、高輝度側・階調優先機能はハイライト側に効果がある。高輝度側・階調優先機能はハイキー調な写真を撮るときに使うと効果的だろう。
露出の計算もしてくれる! D800の多重露出機能
デジタルカメラ全体を見回しても意外に搭載機種が少ないのが「多重露出」機能だ。D800では最大10枚までの重ね合わせが行なえるほか、面倒な露出の計算も自動でしてくれる。
D800の多重露出撮影サンプル
EOS 5D Mark IIIの多重露出は機能満載
EOS 5D Mark IIIの多重露出はなかなか手が込んでいる。撮影枚数は最大で9枚までだが、合成するパターンを変更することが可能だ。
一番単純なのは撮影画像をそのまま重ねる「加算」だが、これは露出調整を自分で行なわないと露出オーバーになりやすい。そこで加算に露出自動調整の機能を持たせた「加算平均」が用意されている。さらに、明るい部分を残して重ねる「比較(明)」、暗い部分を残して重ねる「比較(暗)」と4つのパターンから選べる。
EOS 5D Mark IIIの多重露出パターンの違い
上の撮影サンプルは、被写体にピントを合わせた写真とピントを外した写真の2カットを合成している。使い方次第でかなり面白い写真が撮れる。なお、設定により合成した元の画像を記録しておくこともできる。
EOS 5D Mark IIIには上記の多重露出のほかに、動きのある被写体の連続した動きを記録できる「連続撮影優先モード」や、保存されているRAWデータを選んで合成する機能も備わっている。
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