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春のきらめく一瞬を最新デジタル一眼レフで切り取れ! 第3回

ニコン「D800」&キヤノン「EOS 5D Mark III」の画質総チェック!

2012年04月11日 12時00分更新

文● 周防克弥

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ストレート勝負のD800と
変化球を織り交ぜるEOS 5D Mark III

「ニコン D800」(左)と「キヤノン EOS 5D Mark III」(右)。甲乙のつけがたい2機種ではあるが……

 今回2台を一緒に使ってみて感じたのは、D800は質実剛健なニコンらしいイメージであり、EOS 5D Mark IIIはHDRの活用など意欲的な機能を多く盛り込んできて、やはりキヤノンらしい印象である。

 豪速球のストレートで勝負に挑むD800と変化球を織り交ぜるEOS 5D Mark III。どちらも一長一短があり甲乙は付けがたいが、最後に筆者のごく個人的な意見を書かせていただく。

 高感度での実用性やHDRのクオリティー、合成機能の充実ぶりなど、機能面においてはEOS 5D Mark IIIに軍配が上がってしまう。しかし、実際に画質を重視する場合に使うことの多いと思われるISO 100~200の感度では、2台で画質に大きな差はなく、D800のほうが画素数が多い分、より細部の表現力が勝る。

 冒頭でも書いたが、有効画素数約3630万画素のD800はA2サイズを余裕でカバーでき、約2230万画素のEOS 5D Mark IIIはA3サイズをカバーできる。ともに一般的な雑誌に多く見られるA4サイズの見開きページで十分に使える大きさであり、ある程度のトリミングをしても余裕だ。

 特にD800では大幅なトリミングが可能な点は商業ベースで考えるととても重要な要素になる。いままではポスター用途などで大きく引き伸ばす可能性がある場合には35mm判ベースのデジカメでは画素数が足りず、どうしても中判カメラベースのデジカメを使う必要性があったからだ。

 ファッション誌などのモデル撮影においては撮影時のシャッターのタイミングが重要になってくるため、使えるならば35mm判ベースのデジカメを使いたいと思ってるプロは少なくはないはずだ。

 反面、D800のRAWデータ1枚あたりのファイルサイズは最大で約75MBほどになり、(写した被写体によって異なるが)JPEGでも最大で20MB超のファイルサイズになる。一方、EOS 5D Mark IIIでは、RAWデータで最大45MB程度、JPEGでは最大10MB超ほどの容量である。

 記録メディアの容量が増え、値段も下がってきているとはいえ、やはりこれだけファイルサイズが大きいとPCのHDD容量やメモリーカード(1度に撮影できる枚数)に大きく影響してきてしまう。特に商業用途で使うことがない場合には、EOS 5D Mark IIIのほうが画質とコストのバランスが比較的とれていると言えるだろう。

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