安易なチョイスは痛い目を見る!
SDメモリーカード道は険しい!
SDHCメモリーカード(以下、SDカード)といえば、今でも思い出すことがある。ちょうど1年前のことだったろうか。少ない小遣いをはたいて、流行のミラーレス一眼を購入した。時期的にちょうど値頃だったソニーの「NEX-3」を選んだのだが、娘の発表会での撮影で大失敗を犯してしまった。お遊戯もラストにさしかかった頃、モニターに「メモリーカードエラー」の文字が現れたのだ。父親のメンツは丸つぶれである。
そのときにNEX-3に差していたSDカードは、価格情報サイトで最安値だったもの。「SDカードなんてどれも同じだ」という認識は、その事件以降捨てた。
とはいってもSDカードの価格は、メーカーや仕様によって大きな幅がある。容量が同じでも、速度やブランドによって価格が上下する。筆者の場合は動画もよく撮影するので、できるだけ大容量のものが欲しい。家電量販店へ行くたびにSDカード売り場へ立ち寄るのだが、財布と相談した結果、買わずに帰るということを繰り返していた。
気がつけばSDカードの価格はどんどん下がり、2012年2月現在、16GBでCLASS10のものが1000円台で手に入るようになっている。外部ストレージとして、デジカメのお供として汎用性が高くて使い勝手がいいSDカード。PC界隈では縁の下の力持ち的存在だが、本特集ではそんなSDカードにスポットを当てる。
SDカードは何に使えるのか?
SDカードはいわゆるフラッシュメモリーにカテゴライズされる。縦32×横24×厚さ2.1mmというサイズが規格で定められており、ひとまわり小さなminiSD、さらに小さくスマホなどでメインに使われているmicroSDといった仲間がいるが、miniSDはmicroSDに取って代わられており、現在はSDカードとmicroSDカードの2種類が市場の中心である。今回の特集はSDカードが中心なので、microSDカードについてはまた別の機会に。
もともと、SDカードは2GBまでの容量しかなかったが、カメラの画素数向上や、フルHD動画撮影といったテクノロジーの進化にともなって、さらに大容量(最大32GB)のSDHCカードが登場し、今ではSDカードといえばSDHCカードのことを指す場合がほとんど(この特集でも同様)。アキバのショップなどでは、もはやSDHCカードしか置いていないところも多い。なお、最近の製品ではあまりないが、一昔前のカードリーダーはSDHCカードの読み書きに対応していないものもあるので注意したい。
SDカードの用途としては、その多くがデジカメの記録媒体だろう。転送速度(後述)と容量アップにより、フルHD動画も難なく記録できるようになり、プロユースとしても使われることがあるほどだ。また、16GBや32GBといった容量はノートPCなどの外部ストレージとしても活躍する。ノートPCの中には光学ドライブがない代わりに、SDカードスロットが用意されているものもある。そのコンパクトさと安価な価格帯、そしてHDDと違って駆動部分がないため耐衝撃性にも優れ、データのバックアップにも活躍する。うっかり上書きしないように、書き込みロック機構があるのもポイントが高い。
また、ニンテンドー3DSのデータ保存用メディアとしても採用されたため、一時的に需要が高まった。液晶テレビにも、SDカードスロットが装備されている製品もあるなど、かなりマルチに活躍できるフラッシュメモリーなのだ。
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