メモリーカードの転送速度とは?
SDメモリーカードにも多彩な種類がある、ということを前回の記事で紹介した(関連記事)。今回は具体的にカードの特徴に触れながら、ベンチマークテストをしていく。
まずは、SDメモリーカードのスピードクラスとUHS規格について整理しておこう。現状ではスピードクラスはクラス2、4、6、10。UHS規格については「UHS-I」のみが製品化されている。それぞれの規格には、最低保証速度がある。最低保証といってもシーケンシャルリードのアクセス速度に限ったもので、ライトアクセスやランダムアクセスについては表記の速度を下回る場合がほとんどだ。ちなみに、シーケンシャルリード以外の速度についての保証はされていない。

UHS-IIについてはまだ策定中の段階で、製品は登場していない
現在市場に多く出回っているSDHCメモリーカードはクラス4とクラス10だ。このほかにも、さらに下位となるクラス2や中間のクラス6が存在するが、あまり数は多くない(特にクラス2)。しかし、筆者の知るかぎり、パッケージにクラス2のマークが付いていても実際はカード裏にクラス4の刻印があるなど、仕様面では上位の製品と同等のものである場合もあった。
クラス別でどのくらい速度差が出るのか?
まずは、スピードクラスの種類でどれだけ速度差があるのかをテストしてみよう。今回用意したのはクラス2~10までのSDカードで、容量はすべて値頃の8GBのモデル。測定にはSanDisk製のカードリーダー「ImageMateオールインワン」(USB 2.0接続)、フリーソフトの「CrystalDiskMark 3.0.1 x64」を使った。
読み込みについては、クラス2と4がほぼ同等、そしてクラス6と10は倍速になるという結果になった。クラス2については上で述べたようにクラス4の選別品の可能性が高いが、クラス6がクラス10と同じ速度をたたき出していることには驚いた。4Kランダムアクセスについては非常にパフォーマンスを落としているものの、シーケンシャルリードについては規格上の最低保障速度を大きく上回る21.61MB/s。クラス6とは思えない速さだ。意外とクラス10よりも6のほうがお買い得かもしれない。さすがにクラス2と4は、上位クラスと比べると厳しい。
価格面で見ると、クラス6はAmazonのフラストレーションフリーパッケージ品で880円、クラス10は同パッケージ品で1080円とそれなりの差がある(たかだか200円とか言わない)。ゆえにTranscendのSDカード・クラス6はコストパフォーマンスに優れていると言える。
とはいえ、クラス6は流通量がそんなに多いわけではないし、どうせならカタログスペックが良いほうが……、と店頭ではクラス10をチョイスすることも多いのではないだろうか。
クラス別ベンチマーク対決の結論は「下位クラスでも上位クラスを上回る下克上がある」ということ。メーカーや製品によって当たり外れがあるかもしれないが、クラス6と10なら、6を買った方がオトクということになる。

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