デジカメで撮影した写真をパソコンの画面だけで見るのは勿体ない。せっかくだからデジカメ写真を大容量なBDメディアに焼いていき、居間の大型テレビに表示しようではないか。でもこの楽しみ方、ご面倒なんでしょう? と思いきや実はそうでもなかったりする。ということで実際にやってみよう。
大画面テレビで美麗なデジカメ画像を見る
筆者の家族の1人、具体的に言えば義父(ツマの父)は写真撮影を趣味としている。なぜか風景写真に限定されているのだが、定年リタイアして時間のある彼は、デジイチ片手にあちらこちらへと出かけては撮影している。腕前のほうは玄人はだしとまではいかないが、いくつかのフォトコンテストで受賞したこともあるし、ネットの写真売買サイトに登録し、時折「自分の写真が売れた」などと言っていることもある。しかしだ、筆者を含めた家族は、最近彼の写真をあまり目にすることがないのだ。
義父がデジイチに移行する前には、当然ながら銀塩一眼レフを使用して撮影していた。フィルムは、ネガもリバーサルも使っていたが、撮影作品はともかく一度はプリントしてチェックしていたので、家族はそのプリントを目にする機会も少なくなかった。しかしデジイチへの移行後は、ほぼすべての作業が義父専用のパソコンで完結するため、プリンタであえてプリントアウトしない限りは作品を目にすることはなくなってしまった。
確かに1枚ごとにプリントアウトしていたのでは時間もコストもかかる。義父としても、別に見せたくなくて見せないというわけでもなく、お披露目する機会がなくなったというだけに過ぎない。しかしほかの家族は機会があればぜひ見てみたいと言う。
では、居間にある大型テレビで見せるのはどうだろう? と提案してみた筆者なのだ。当初はパソコンをHDMIでじかにつないでみたら? と思ったのだが、義父のパソコンはデスクトップパソコンなので移動は不可。それであれば、そのパソコンに内蔵されているドライブを使って、記録型のBDメディア(たとえばBD-R)にでも保存して、テレビにつないだBDレコーダーで再生してみればいいのでは、という話になった。
義父は、BDというと地デジを録画して保存するメディアぐらいにしか思っていないようだったが、BDディスクへの写真の保存が閲覧だけでなくそれ以外にも役立つという話もしてみた。
写真をBDに保存するメリット
まず今回筆者が提案したように、BDディスクに写真を保存することで、ほかの機器で写真を見ることができるようになる。もちろん再生するのはBD対応機器である必要があるが、機材がある限りそれは大きな問題ではない(後述するが、いくつかの条件はある)。
そしてBDディスクに写真を保存することはまた、バックアップやアーカイブとして意味のあることだ。パソコンのHDDはいずれ壊れる消耗品であることは確か。それに対してBDディスクは、保存状態にもよるが、10年以上は軽く持つと言われている。長期保存に最適なメディアであり、HDDよりもデータの長期アーカイブが可能である。
さらに、記録型BDは大容量であることも大きなメリットだ。記録層が1層のBD-R、BD-REなら約25GB、2層メディアなら約50GBの容量がある。撮影した写真のファイルサイズを気にしてリサイズしたり画質を変更したりすることなく、そのままのデータ状況でどんどん記録していくことができる。
義父のパソコンに保存された写真のデータを見ると、画像サイズは4288×2848ドット、解像度は300dpi、JPEGで保存されていてることが多く、1枚あたりのファイルサイズは5MB前後~7MB前後であるようだ。平均6MBとすれば、約25GBの1層BD-Rに軽く4000枚の写真を保存できる計算となる。聞けば、もはやそれ以上の枚数が義父のパソコンには保存されているというが、それでも数枚のBDディスクに収まるだろう。
じゃあさっそく写真を保存してみよう、という段になったとき、義父はさらなる疑問を呈した。パソコンで見るならともかく、BDレコーダーで再生するなら、オーサリングなどの手を加えて、スライドショー形式にするといった手間が生じるのではないのか? と言う。
確かにスライドショー形式にすればそれこそ動画を再生するようにして写真を見ることができるが、指摘のとおりオーサリングの手間は必要となる。しかし、BDレコーダーの多くは、パソコンでBDメディアに保存したデジカメ写真などの静止画をそのまま表示することができる。なおオーサリングしてスライドショーを作成する件については、改めて後日解説することとしよう。
そのまま、というとちょっとアレだが、静止画のファイル形式が「DCF形式」で、圧縮方法が「JPEG」であれば、ほぼ問題なくBDレコーダーで表示できる。JPEGはともかく、DCF形式とは何か?
DCF(Design rule for Camera File system)はJEIDA(日本電子工業振興協会)が策定した、デジタルカメラ用の画像フォーマットで、異機種間での互換性を保つための規格である。ここ数年に発売されたデジカメで撮影し、パソコンへ取り込まれた写真なら、基本的にDCF形式で保存されていると考えて問題ない。あとはファイル名を2バイト文字に変更したり、Exifを改変したりしていなければ、そのまま写真ファイルをBDメディアにコピーするだけで再生可能となる。また、フォルダの階層構造も4階層までとしておこう。
そしてWindows 7なら、書き込みソフトがなくても記録型BDメディアへファイルを書き込むことができる。要は、BDドライブが搭載されたWindows 7パソコンに取り込まれた写真であれば、特にソフトやツールを追加することなくBDメディアを作成し、写真をBDレコーダーで表示可能ということだ。
写真をBDへ保存していく
それでは実際に、写真をBDに保存する手順を追っていこう。
用意したのは、記録型BDドライブを搭載したパソコンと、それに保存された写真のデータ、そして1層BD-Rメディア。
まず、メディアをドライブにセットする。
「CD/DVDプレイヤーで使用する」「次へ」をクリックしたら、あとは保存するする写真ファイルをどんどんウィンドウ内にドラッグしていく。
ドラッグしただけでは書き込みは完了しないので、「ディスクに書き込む」をクリック。すると、ウィザードが開始されるので手順に従ってデータを書き込んでいく。
これで、居間にある大型テレビ+BDレコーダーで表示できるBDメディアが完成した。なおこのBD-Rディスクには、保存容量に達するまで写真データを追加できる。撮影のたびに、またはある程度写真のストックがたまったときにデータを追加していくことができる。
BDレコーダーに完成したBD-Rを挿入すると、無事に静止画が表示された。これで家族は義父の作品を適度に楽しむことができるようになった。
意外にも手順は簡単ではないだろうか? それほどパソコン操作に通じていない義父でもこれなら容易にBDディスクを作成できると言っている。
筆者と同じような感じでデジカメ写真を大型テレビに表示してみたいというなら、ここで紹介したようにBDを活用してみるといいだろう。
この連載の記事
-
最終回
AV
きっと役立つ!ブルーレイ用語集 -
第22回
AV
付属ソフトを活用してBDを焼く技 -
第21回
AV
録画した地デジ番組をBDメディアに焼くときのポイント -
第20回
AV
ビデオテープの映像をBDに保存する方法 -
第19回
AV
DLNAやDTCP-IPでテレビに録画した番組をBDに焼く技 -
第18回
AV
BDレコーダーのサーバー機能を活用する -
第17回
AV
BDレコーダーをスマホと連携させる方法【視聴編】 -
第16回
AV
BDレコーダーをスマホと連携させる方法【録画・操作編】 -
第15回
AV
BDの音声を存分に楽しむための周辺機器 -
第14回
AV
ラベルを市販のBDのように華麗にして残す技 -
第13回
AV
ダビング、コピーワンス、AVCって何? - この連載の一覧へ