キヤノンから、コンパクトデジタルカメラの秋モデル8機種が一斉に発表された。特に、同社はプレミアムモデルとして「PowerShot G1 X」「PowerShot G15」「PowerShot S110」の3機種を展開しているが、このうち2機種がリニューアルされ、さらに1モデルが追加される。
F1.8レンズ搭載で世界最薄!
プレミアムコンパクト「PowerShot S120」
9月中旬発売予定の「PowerShot S120」(予定直販価格4万9980円)は、F1.8という明るいレンズを採用しながら、29mmという薄さを実現したプレミアムモデル。F1.8レンズを搭載するデジカメとしては世界最薄だという。
本来、F値を小さくするためにはレンズを大口径化する必要があり、それにより第2レンズ群のサイズが大きくなり、薄型化が難しいという弊害があった。
PowerShot S120は電子的な収差補正技術を活用することでレンズを小型化し、さらに第2レンズ群の形状を見直すことで厚みを最小化。加えて鏡筒機構の改良により、29mmという薄さを実現した。
レンズは光学5倍ズームで、広角側は24mmという広い画角で撮影可能。特殊なガラスを採用することで色収差も最適に補正する。
撮像素子は裏面照射型CMOSセンサーで、常用でISO 12800までの感度設定が可能。
画像処理エンジンには最新の「DIGIC 6」を採用。静止画撮影時の解像感や高感度性能が向上したほか、動画撮影においても5軸手ブレ補正の採用や60p記録など進化している。
またAFは約0.1秒で合焦し、連写(最初の5コマは12.1コマ/秒、6コマ以降は9.4コマ/秒)はメモリーカードがいっぱいになるまで行なえるなど、レスポンスも向上している。AF追従では5.5コマ/秒の連写が可能だ。
マニュアルフォーカス時にピントの合った場所を色付きで表示する「MFピーキング」も利用できる。
S120には新たに「星空」撮影モードが3種類搭載されている。「星空夜景」は自動で長秒時撮影を行ない、エリアごとに露出をコントロールすることで夜空の星を美しく写すモード。
「星空軌跡」は長秒時撮影の連写を行ない、その画像を合成することで星の軌跡を写しだす。
「星空インターバル動画」は、星が動く様子を定点撮影し、それをムービーとして保存するモードだ。
さらに「背景ぼかしモード」を新たに搭載。2枚連写し、一方にぼかし処理をかけて合成することで背景がボケた写真を生成する。ボケ味の強度は3段階から選択可能だ。
このほか「HDR」機能では絵画調や油彩調など5種類の特殊仕上げができるようになった。無線LAN機能は従来通り搭載する。
さらに薄型の下位モデル「PowerShot S200」
なお、PowerShot S120の下位モデルとなる「PowerShot S200」(予定直販価格3万4980円)も同時期に登場する。下位モデルとはいえ、プレミアムコンパクトラインに属する高機能機だ。
レンズの明るさはF2.0となるが、本体は26.3mmというS120よりも薄型ボディーとなっている。画像処理エンジンは「DIGIC 5」で、AFの合焦速度は約0.2コマ/秒。S120同様無線LANを内蔵する。
