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ハイブリッドクラウドが本格化?VMwareの新年事業戦略説明

2012年は「“Your Cloud.”元年」と語るヴイエムウェア

2012年01月26日 09時00分更新

文● 渡邊利和

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1月25日、ヴイエムウェアは新年の事業戦略説明を行なった。米国で23日付けで発表された2011年度の業績では好調な成長を達成しており、特に日本を含む米国外での成長率が高いという。

仮想化からクラウドへ

 説明を行なった同社の代表取締役社長の三木 泰雄氏は、「一言で表現するのは無理もあるが」と前置きしつつ、2011年を「仮想化が“主役”になった1年」、2012年を「“Your Cloud.”元年」とした。

ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木 泰雄氏

 仮想化がいずれも、以前から言われていたことのようにも思えるが、実際の市場の動きとしても実質が伴ってきたということかもしれない。実際、同社が打ち出した事業戦略にも今回初めて聞く、といった内容はないといってよく、その意味では従来からの取り組みがそのまま継続されると考えてよいだろう。

2011年の事業統括

2012年の変化は“Your Cloud.”元年へ

 同氏が2012年の注力エリアとして挙げたのは、「クラウドのデリバリ体制強化」「エンドユーザー コンピューティングにおけるデバイス多様化への対応と、利便性の向上」「パートナー エコシステム強化による新規顧客への導入支援」の3点だ。特にクラウドに関しては、企業内部でのプライベートクラウドの構築が進んでいる一方、外部の事業者が提供するパブリッククラウドの活用も一般的になりつつあるが、その両者を統合する形の“ハイブリッドクラウド”に関しては、コンセプトとしては以前から語られており、技術的に実現するための製品は出揃いつつあるものの、「本当の意味での“ハイブリッドな”クラウド環境を活用している企業はまだほとんどない」(三木氏)という状況だ。しかし、今年はいよいよ“ハイブリッドなクラウド環境”が本格的に立ち上がってくる年と目されている。この認識が、「“Your Cloud.”元年」というところにつながっているわけだ。

2012年の日本市場でのコミットメント

 同社のハイブリッドクラウドへの取り組みは2011年中に次々と関連製品群が市場投入されており、いわば昨年の主な取り組みだったという印象もあるのだが、仮想化技術の実用化に関する同社の取り組みからすれば、まず同社が技術開発を行ない、市場に投入してから数年がかりで受け入れられていく、という展開が一般的だ。メッセージとしての新規性には乏しいが、しかしこれでも以前に比べれば同社の技術開発から市場での活用までのタイムラグは短縮してきているのも確かで、その辺りが「仮想化が主役になった」という認識にも表われているといえるだろう。

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