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さまざまなデバイスの企業内利用を仮想化技術でサポートする

Windows PCだけの時代に終わりを告げるヴイエムウェア

2011年09月16日 09時00分更新

文● 渡邊利和

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9月15日、ヴイエムウェアは8月29日~9月1日の4日間、米ラスベガスで開催された同社のプライベートイベントVMworld 2011での発表内容等をダイジェストで伝えるプレス向け説明会を開催した。

クライアント接続の仮想化をますます拡充

 すでに報道されているとおり、今年のVMworldではデスクトップ仮想化製品であるVMware Viewの新バージョンであるView 5の発表が大きな話題となっていた。一見するとサーバの仮想化は一段落したので次はクライアントサイド、という話にも見えなくはないが、それほど単純な話ではなく、より大きなコンピューティング環境の変化を見据えた上でのソリューションの拡充のようだ。

 まず概要説明を行なった同社の代表取締役社長の三木 泰雄氏は、まず今年のVMworldの開催規模について紹介し、来場者数が1万9,000名に達したことと、日本からは昨年の2倍に当たる200名が参加したことを明かした。次いで同氏は、同社の注力分野が「インフラ」「プラットフォーム」「エンドユーザーコンピューティング」の3分野であることはこれまでと何も変わっておらず、一貫した戦略で進んでいることを強調した。

ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木 泰雄氏

 続いて、米本社のエンドユーザーコンピューティング担当副社長兼ゼネラル マネージャのクリス・ヤング氏が同社のエンドユーザーコンピューティングに関する取り組みについて説明を行なった。同氏は、スマートフォンやタブレットといったさまざまな新しいデバイスが普及し始めており、こうしたコンシューマ向けのデバイスが企業内に入り込み始めている現状をまず指摘した。

米ヴイエムウェア エンドユーザーコンピューティング担当副社長兼ゼネラル マネージャ クリス・ヤング氏

 同氏はEvernoteを例に挙げて「オンラインのアプリケーションマーケットで生産性向上アプリケーションも好調な売れ行きを示すようになってきている」と語り、スマートフォンなどのコンシューマ向けデバイスを業務でも活用しようというユーザーが増えているとし、企業のIT部門はこうしたトレンドに対応し、セキュリティやコンプライアンスをコントロールしていく必要があるとした。

 さらに同氏は、「Windows PCが支配的な存在だった時代は終焉を迎えた」とした。これは、企業内ユーザーが利用するクライアント端末としてWindows PCだけを想定すれば済んだ状況はもう過去のもので、今後はMacintoshやiPhone/Androidなど、さまざまOSが稼働するさまざまなデバイスに対応し、適切に管理していく必要があるということを意味する。同社のエンドユーザーコンピューティング戦略は、こうした最新のトレンドによって必然的に生じる企業ITの問題を仮想化技術とクラウドサービスによって適切に解決していく、という部分にある。

VMworldで発表された製品群

エンドユーザーコンピューティング分野での製品群の役割

 同氏はまた、「デスクトップ仮想化」と「エンドユーザーコンピューティング」を区別しており、デスクトップ仮想化を「Windows PCによるタスク指向の処理向けのソリューション」と位置づける。一方で、企業内でもスマートフォン等の端末を使い、データを閲覧するだけで済む用途や軽量な企業内アプリケーションを利用する用途も存在し、これらを統一的な運用管理体系の中で一元的に扱えるのは同社のエンドユーザーコンピューティングのソリューションだということになる。いわば、デスクトップ仮想化だけに限定されないより広範なソリューションだといえるだろう。


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