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仕事と生き方を変える、著名人の意見第15回

「平成24年度税制改正大綱」を読み解く

税制改正、私たちの生活への影響は?

2012年01月23日 09時00分更新

文● 伊藤亮太

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※この記事は伊藤亮太氏のメールマガジン「時代を勝ち抜くマネー学 - これからの生活に活かす -」ビジスパ」にて配信中)から選んだコンテンツを編集しお届けしています。

 先月発表された「平成24年度税制改正大綱」。この改正は、経済に、ひいては私たちの生活にどう影響しうるのか。また、資産の運用に活かせる点はどこか。経済評論家/ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太氏が解説する。

 今回は、「平成24年度税制改正大綱」を読み解いていきたいと思います。 2回(※)にわけて、私たちの生活において特に影響が出てくるであろう部分を中心に解説していきます。

 先月、「平成24年度税制改正大綱」が発表されました。例年と比較すると目玉となる大きな改正というよりも、今までの特例の延長といった小規模な改正が多く見受けられます。その中で、今回は「所得税」部分の主な改正事項を取り上げてみたいと思います。

(1) 給与所得控除の見直し

 今回の税制改正大綱では、個人所得課税において、「給与所得控除の見直し」が行われる予定となっています。といっても、大部分の方には該当しません。その年中に支払われる給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額について、245万円を上限とする案が出されています。

 この場合において、どれぐらい影響が出てくるものなのか試算してみました。

<給与所得控除上限設定による増税額>

 当然のことながら、年収が高くなるほど増税の影響は大きくなります。該当する方は2013年1月から適用予定となっていますので、ご注意ください。また、個人住民税に関しても2014年6月から給与所得控除の上限設定が行われる予定です。

(2) 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例

 これは現在もある特例ですが、平成23年12月31日までで期限が切れるため、2年間延長となる予定です。ただし、この特例を適用するための、譲渡資産の譲渡対価(売却金額)が現行では2億円までとなっているものを1.5億円までと金額が引き下げられます。

 特定の居住用財産の買換え特例とは、マイホームを買い換えた場合において、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる特例になります。特例の適用を受けた場合、売却した年分で譲渡益への課税は行われず、買い換えたマイホームを将来譲渡したときまで譲渡益に対する課税が繰り延べられることになります。あくまで課税が繰り延べられるだけである点、居住用財産の3000万円特別控除(マイホームを売却した場合の譲渡所得から3000万円差し引ける仕組み)との併用はできない点も知っておきましょう。

●所得税、住民税の改正:増税路線まっしぐら

 この他、今回の改正事項とは異なりますが、平成24年1月1日以降、既に所得税や住民税で改正されることが決まっているものがあります。

〔2012年6月から〕

 ・個人住民税の15歳以下の年少扶養控除の廃止、16~18歳の特定扶養控除の縮小。扶養親族をお持ちの方は、住民税額が増加することになります。子ども手当支給があった影響によるものといえます。

〔2013年1月から〕

 ・震災の復興財源確保のため、25年間、所得税額に2.1%上乗せされた金額が徴収されることになります。

〔2014年6月から〕

 ・震災の復興財源確保のため、10年間、個人住民税は年1000円上乗せされます。

 以上のような内容が既に決まっており、増税路線まっしぐらになります。決まったことは事実として受け止めるほかありません。ご自身のライフプランニング上、大きな影響が出てこないかどうか、検討してみてください。

 (※)2回目は、私たちの生活においてプラスとなるポイントとして、「資産課税」の改正事項について解説。ご興味ある方はメルマガをチェック!

【筆者プロフィール】伊藤亮太

 経済評論家、ファイナンシャルプランナー。スキラージャパン株式会社取締役。 証券会社にて、営業、経営企画部門等を経て、2007年11月にスキラージャパン株式会社設立に参画。ファイナンシャルプランナーとして、個人の生活設計(ニーズに合った適切な金融商品の選定、保険やローンの見直しなど)を中心としたマネー・ライフプランニングの提案・サポート等を行っている。

「金融入門 基本と常識」(西東社)など著者多数。講師・講演歴も多岐にわたり、金融機関、大学等で、資産運用関連、金融業界動向、ファイナンシャル・プランニングなど講演を行っている。

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