※この記事は常見陽平氏のメールマガジン「帰ってきた愛と怒りのシゴト論 食いっぱぐれない人生の法則」(「ビジスパ」にて配信中)から選んだコンテンツを編集しお届けしています。
企業において行われる、競合への対抗心、愛社精神を盛り上げる施策。モチベーションアップ策とも言え、強烈な原動力になるその取り組みについて、常見陽平氏が語る。
組織には強烈な愛と、競合に対する敵対心が必要である。これは軍隊や企業に限らない。青少年の健全な育成の場だとされる少年野球だってそうだ。守備の時に「バッチコイ」と連呼したり、ヤジを飛ばしたりして威嚇したりする。「絶対に○○を倒すぞ!」なんて円陣組んで叫んだりする。
モチベーションアップにもつながる愛社精神向上施策
企業においては競合への対抗心は常に盛り上がりまくっている。競合をいかに倒すかという戦略、戦術は常に共有されているし、競合からリプレースすることの社内キャンペーンまで行なっていたりもする。
対競合の話ばかりになってしまったが、愛社精神を盛り上げる施策っていうのもこれまた力入れるよね。モチベーションアップ策とも言えるかな。先日、豚まんで有名な大阪の蓬莱の方に聞いたのだが、年に1度、全従業員を呼んでスイスホテル南海大阪(大阪の高級ホテル、すごいよ)に招いてパーティーを開いたりするんだって。たしかに、パーティーや社員旅行などなど従業員の労をねぎらいつつ、愛社精神を盛り上げる施策ってあるよね。あと、社内報も愛社精神を盛り上げるのに有効なツールだよね。
営業に必要な力は当然必要。最もベースになるのは「愛社精神」
で、なんで今回は「愛社精神」がテーマかというと、サントリーの部長だった方から大変興味深い話を聞いたのだ。先日、会食の際にこんな質問をしてみたのだ。実は私なんかが営業に関する本を書くことになりそうなので、「サントリーでデキる営業ってどんな人なのですか?どんな力が必要なんですか?」という質問をしてみた。返ってきた言葉が、これ。
「常見君、それはね、愛社精神だよ」
なるほど。そうきたか。たしかに、ビールはCMなどでは原材料や製法を訴求したりするし、パッケージのデザインにも強いこだわりを感じるのだが・・・。普通に居酒屋に入って飲む分には、よっぽどビールに詳しい人、味に敏感な人でない限り、違いには気づかない。
優秀な営業担当者にはもちろん、提案力や、マーケティングのセンスなど、営業として必要な力は当然期待されるものの、最もベースになるのは「愛社精神」ということらしい。
その方は在職中、ゴミを捨てる際はビールの空き缶をわざといくつかの袋に小分けして捨て、近所の人が見たときにサントリーが売れているように見せるなど、涙ぐましい努力をしていたそうだ。
愛社精神のような、ライバル意識のような。これって、強烈な原動力だよね。そういえば、ソニーには昔、BMWって標語があって、“Beat Matsushita Whatever”の略だったとか。へぇ。
愛社精神とライバル意識を持った仕事、大事かもだね。
※メルマガでは、愛社精神が生んだ企業慣習をもっと紹介。vol.003をチェック!
【筆者プロフィール】常見 陽平

北海道札幌市出身。作家、大学講師一橋大学商学部卒。これまでの人生で就活、採用活動の矛盾、問題を最前線で目撃し、そのウラのウラまで熟知する。また、転職情報誌編集部や、採用担当者の仕事、自身の転職活動を通じて採用活動の裏側を覗く。実践女子大学、白百合女子大学、武蔵野美術大学などで非常勤講師(キャリア論)を務める一方、一橋大学大学院社会学研究科に在籍中。 「『キャリアアップ』のバカヤロー」「就活の神さま」「大学生のための『学ぶ』技術」「親は知らない就活の鉄則」など就活、キャリアに関する著書多数。 ビジスパではメルマガ「帰ってきた愛と怒りのシゴト論 食いっぱぐれない人生の法則」を執筆中。

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