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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第132回

Radeon HD 7970を急遽前倒し AMDの2012年GPUロードマップ

2011年12月26日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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ローエンド「Radeon HD 7570」の
仕様には謎が残る?

Radeon HD 6000~7000シリーズのロードマップ

 話を戻すと、Cape Verdeには少なくともRadeon HD 7770があることは確定で、これまでのAMDのラインナップを考えると、やや性能を落とした「Radeon HD 7750」も存在しそうに思える。そのコアのコード名が「Cape Verde XT」になるのか、ほかの名称になるのかはわからない。というのも、「Cape Verde XTはさらに下の『Radeon HD 7670』のコード名」という説もあるからだ。

 Radeon HD 7670はほぼRadeon HD 7750に等しい構成だが、メモリーバスを128bit化することで性能を下げるという、Radeon HD 6790とRadeon HD 6770/6750のケースと同じように差別化する。7600シリーズのローエンドが「Radeon HD 7650」になる。恐らく構成はRadeon HD 7670と同等で、動作周波数を下げたものになると思われる。

 7000番台のローエンドは、Radeon HD 6450の後継となる「Radeon HD 7570」となる。謎があるのは、このRadeon HD 7570が「Cape Verde Pro」というコード名になっていることだ。同社の命名法によれば、これはRadeon HD 7700/7600シリーズと同じダイを使うことを意味する。

 構成としては160シェーダー/8テクスチャユニット/4 ROPユニットという数字が伝わってきているのだが、これはRadeon HD 6450と同じ数字で、今後も性能が強化されるAPUと比較するとあまりに見劣りがする。ロードマップ図に示したのは筆者の推定値だが、最低でも384シェーダー位はないと、商品として話にならないのではないか。このRadeon HD 7570は、4月か遅くても5月あたりには登場するものと予想される。

新アーキテクチャー「GCN」には
ラムバスのメモリーI/F技術を採用?

Fusion Developer Summitでの基調講演スライドより引用。従来のVLIW 5/4構成とはまったく異なる構造になっている

GCNが3D描画時にどう動くかをまとめたもの。いくつかの機能はまだ固定で搭載されているとの話

 一方ハイエンドはと言うと、AMDがVLIW 4に代わる「GCN」(Graphics Core Next)というアーキテクチャーを開発していることが、2011年6月に開催された「AMD Fusion Developer Summit」というイベントで明らかにされていた。このGCNは従来のVLIWに代わり、SIMDとMIMDを組み合わせたもので、ある意味NVIDIAの現行アーキテクチャー「Fermi」と似た思想のものになっている。構成変更の最大の理由は、「GPGPU的に利用しようとするとVLIWのままでは効率が上げにくいので、効率が上がるように工夫した」という話である。

Radeon HD 7970

 このGCNを最初に実装したのが、ハイエンド向けの「Tahiti XT」こと「Radeon HD 7970」である。当初は2月発表という話だったのが、大幅に前倒しされて12月22日に発表された。もっとも発表はともかく、製品は全然間に合っていない。また、やや性能を落とした「Radeon HD 7950」も、同時発表ではなく後になってしまった。Radeon HD 7970の発売は1月9日ということだが、Radeon HD 7950の発表は2012年1月に入ってから、出荷もそれ以降になりそうだ。

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