高級モデルはやっぱり凄いのか?
約4万円のモデルを試す!!
最後に、気になる高価格モデルの実力についても試してみた。試聴したのはオーディオテクニカの「ATH-CKM1000」で実売価格4万円前後。使用ユニットはダイナミック型でカナル型としては大口径の14mm振動板を採用している。
およそ4万円となると、ヘッドフォンとしてはハイエンド級の価格帯となる。屋外用として気軽に使えるものではないが、果たしてこういったモデルになると音質的にはどのくらいの差があるのかは気になる人も多いだろう。
ATH-CKM1000は、カナル型としてはサイズはやや大きい。ボディはチタン鍛造の強固なもので、一般的な樹脂ボディと比べてかなりがっちりとしたボディになっている。不要な振動をなくし、音の濁りのない再生を再現するというものだ。
その音はワイドレンジなサウンドで、低音、高音ともにかなり伸びる。クラシックでのバイオリンの倍音の乗った艶やかな音色、しっかりとした低音に支えられた雄大なスケール感など、相当な実力と言える。S/N感も優れており、ホールに響いていく微妙な余韻までしっかりと再現する。
編集S:上質な音楽という感じなのですが、圧倒的な差という感じではないですね。BA型のモデルの方がインパクトはあったかな。
鳥居:BA型は音質傾向が異なることもあって、違いがわかりやすいというのもありますが、1~2万円くらいのモデルとなると実力は十分に優秀で、4万円のモデルと比べても価格ほどの差とは感じにくいですね。
編集S:付属ヘッドフォンとの差で言うと、5000円を超えたくらいのところで明かな差を感じましたが、自分としては1万円くらいのモデルで大満足という感じです。
鳥居:実際、オーディオ機器でも価格が高くなるほど絶対的な実力の差は少なくなっていきますし、5万円前後の製品となると性能的な差というよりも、メーカーやモデルによる音質の好みで選ばれることが多いでしょう。だから、付属ヘッドフォンからのグレードアップならば、5000~1万円くらいというのは満足度も高くておすすめと言えますね。
編集S:一度聴いてしまうと、付属ヘッドフォンでは物足りなくなってしまいます。さっそく、自分でもヘッドフォンのグレードアップに挑戦してみますよ。
鳥居:大型の量販店ならば、いろいろなメーカーのモデルが試聴できるので、いろいろ試してみると面白いですよ。
ヘッドフォンは誰でも気軽に楽しめる身近なオーディオアイテムで人気も高いが、その分製品数も多く選ぶのが難しい一面もある。今回のように使い方に合わせて形式や種類を絞っていけば選択はしやすくなるだろう。
価格もあまり無理をしなくても十分に満足できるものが選べるはず。ヘッドフォンの魅力がわかってきたら、室内用にオーバーヘッド型を追加したり、さまざまな機種を聴き比べてより好みに合ったモデルを探すというのも楽しい。
身近な存在ではあっても、やはりオーディオ機器だけに、奥の深い楽しみもある。この機会にぜひとも、ヘッドフォンのグレードアップに挑戦してみてほしい。
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