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痛車乗りは電気自動車の夢を見るか? 第2回

自動車らしい電気自動車

もはや普通自動車には戻れない! 軽 to EVの三菱 i-MiEV

2011年10月24日 12時00分更新

文● 藤山哲人 ●車両協力/三菱自動車

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何でラジエーターが付いてるんだ!?

 夜中にi-MiEVを充電していると、何も操作をしていないのにフロントからファンの音が聞こえるのに気が付いた。しかも、ナンバーの下にもラジエーターがしっかり見えている! ガソリン車にラジエーターがついているのは理解できるが、なんでEVについているのかを聞いてみたところ、モーターを水冷式にしているということなのだ。

あれ? こんなトコにラジエーターが!

夜中に充電していたら、なにやらファンの音が聞こえしてビックリ。コクピット周りを調べてみると、エアコンのスイッチがONに。何で?

 しかし、充電中はモーターを冷やす必要もないのに、なぜラジエーターファンが回るのかも聞いてみると、急速充電中はバッテリーが熱を持つので、エアコン用のブロア(ファン)を回し冷却をしているということだ。バッテリーの大敵は水なのでさすがに水冷式にはしないないらしい。最初から分かっていればよかったのだが、充電中にエアコンの電源ランプが急に点灯したので「アレ? 俺どっかに触っちゃった?」とスイッチをあわてて消そうとしても、電源を切ることができずチョットあせった俺はマヌケ(笑)。読者のみんなはあせらずそのまま放置しておけばいい。

油圧系統はどうなってる?

 車好きの読者なら誰しも疑問に思うことがあるだろう。それは「油圧系統がどうなっているのか?」という疑問だ。ガソリン車なら常にエンジンが回っているので、油圧ジェネレーターをエンジンシャフトで駆動すればいい。しかし、EVは停止中モーターが止まってしまうので油圧を発生できなくなる。となると停止中はパワステは重ステになり、ブレーキもまったくアシストされないので、渾身の力を込めて踏み込まなくちゃならなくなる。だからといって、モーター式の油圧ジェネレータを常に回していれば、エアコンを使ったときと同様に、航続距離が短くなってしまう。i-MiEVはこの問題を解決する、素晴らしいアイデアを利用している。

ブレーキアシスト用の真空ポンプ。ここで負圧を作り出し大気圧との差でブレーキ力をサポートする

 ひとつは先にも説明したフットブレーキのアシストだ。リアのモータールーム右側にあるのが、ブレーキをアシストするバキュームポンプ。これで負の気圧を作り出し、大気圧との差を使いブレーキをアシストしている。だから回生フレーキから摩擦式のブレーキに切り替わると、フットブレーキがフワフワと軽くなっていたというわけだ。なるほど。

 前軸の荷重が510kgしかないので、男ならパワステなくてもなんとかなるかもしれないが、女性が楽に車庫入れをできることも考慮して、モーター式のパワーアシストをしているという。

 このように、i-MiEVは油圧系を一切備えていないが、油圧系を備えたガソリン車同様に、楽に運転ができるようになっているのだ。

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