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痛車でラリー! メロンブックスインテ2年目の挑戦 第7回

北の大地は容赦なし! メロン号、北海道はリタイヤに

2011年10月19日 20時17分更新

文● 中村信博 写真● 中島正義、みつつじきみあき

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スーパーラリーで復活のメロン号

 10月2日(日)、デイ2。この日は北愛国サービスパークを基点に、帯広から少し北にある音更町や足寄町周辺の4本のステージをめぐるスケジュールだ。無事にスーパーラリーでの再出走が認められたメロン号は、昨日より若干スタート順を後ろにずらすことになったが、そこだとJN-2クラス先頭ゼッケンの前で走ることになってしまう。データ習得のため安全ペースで走る予定のメロン号が、今なお競技続行中の他車の邪魔をしては申し訳ない。そこで、サービス明けタイムコントロールにわざと遅着してタイムペナルティをもらい、走行順をJN-2先頭ゼッケンに譲ることにした。リザルトに残ったメロン号唯一のペナルティの真相は、実はそういうことなのだ。

メロン号、それに共同サービスの68号車とも、スーパーラリーでのデイ2出走が認められた!

折からの寒波で、接着剤はまだ完全には乾いていない状態。走行中に外れることがないよう、ガラスの周囲を強力なテープで補強した

明るいときに見てみると、メロン号の各部の損傷がよく判る。屋根についたままの泥が痛々しい

ゼッケンの横に小さく書かれたSマークは、スーパーラリーが認められたことの証明。メカニックたちの奮闘の証だ

 デイ2では、チャンスがあればデイポイント獲得のためアタックしてもいいが、基本的にはデータ取りのため余裕のあるペースで走行する作戦だった……が、なぜか好タイムが出るのだ。たしかに、勝負の行方がほぼ決まって各車ともペースを落としていることもあるだろう。しかし、SS13「パウセカムイ1」、それにSS14「ホンベツ1」でベストタイムを取り、その他のステージでも好タイムを連発している現状は、それだけでは説明がつかない。間違いない、メロン号のグラベル性能は確実にアップしている!

メロン号、デイ2最初のセクションを走破して北愛国サービスパークに到着。順位こそ残らないものの、できるかぎりのメンテナンスを施して残るステージへと送り出してやる

デイ2の中間サービス終了後、CJRTの松井悠監督とUstream公開対談をすることに。ちなみに場所は筆者にとって完全アウェーのCUSCOサービスブース。同じテントの中にはCUSCOの長瀬社長がいたりして、普段よりも大人な放送になった?

チームNENCの向島ねんくちゃんとデカめろんがツーショット。ちなみに「生めろん」こと柳まおサンはNENCのRQも兼任しているが、今回NENCのRQは代役として小池はちサンが担当したそうな

 そして、APRC組のセレモニアルフィニッシュが行なわれている頃。サービス隊が撤収準備を進めていたときに、ふたたび田中選手から緊急連絡。「SS18、スタートから約1km地点で、いきなり駆動がかからなくなりました」メロン号、今イベント2度目のリタイヤである……。

メロン号がふたたび積載車に載せられて帰ってきた。すぐにタイヤを外して原因究明にあたる。結局ドライブシャフトが抜けて駆動がかからなくなったためと判ったが、実際に走らなければ判らなかった弱点だ。こうして実戦でデータを積み重ねて、より耐久性のあるマシンに仕上げていく

 2度目のリタイヤの原因は、サスペンションが伸びきっているときに不意に横方向の衝撃が加わり、ミッションケースからドライブシャフトが抜けたためと判明。サービスパークへと戻ってきたメロン号のドライブシャフトを新しいものに交換して嵌め直すと、普通に駆動がかかるようになった。たしかにフィニッシュまでたどり着けなかったのは残念だが、貴重な走行データを取れたことで、勝負を度外視してデイ2に出走した価値はじゅうぶんにあった。このトラブルに関してはいくつかの対策も考えられていて、来年ふたたびこの「RALLY HOKKAIDO」に参戦することになったなら、このときの走行データが必ず役に立つはずだ。

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