それぞれの製品がネットワークで結合し
さらなる価値を生み出す「REGZA WORLD」
55X3、DBR-M190は、単独の製品として見てもかなり魅力的だが、それらが組み合わされることでさらに魅力が高まるという。
そのひとつが、「レグザコンビネーション高画質」。55X3とDBR-M190はそれぞれ「レグザエンジン CEVO」を搭載するが、両者がHDMI接続された場合は、高画質処理をそれぞれ分担することでさらなる高画質化が実現できるという。
具体的には、DBR-M190側では、複数フレーム超解像処理と、色の超解像処理を行ない、55X3側では非圧縮12bit相当、4:4:4処理で、再構成型超解像処理を行なう。BDソフトからダイレクトに読み取った信号を可能な限りロスなく伝送できる点も、レグザコンビネーション高画質のポイントだろう。ちなみにこれは、55X3だけでなく、従来のREGZA ZP3シリーズやZ3シリーズも対応している。
さらに、ネットワークによる連携が、それぞれのモデルの魅力をさらに高める。それが「レグザリンク・シェア」である。これは、ネットワークを使ったDLNA配信、対応する端末への番組転送、再生コントロールなどの番組共有が行なえる機能だ。
同時に発表されたタブレット端末「REGZA Tablet AT700/35D」(予想実売価格 7万円前後、12月中旬発売)を使えば、55X3やDBR-M190で録画した番組を、無線LANで手軽に家の中で再生できる。番組を転送すれば外出時に持ち出して通勤途中にテレビを視聴することも可能だ。
本村:「DBR-M190に蓄積した番組をネットワーク経由で配信し、家の中の好きな場所でREGZA Tabletで視聴する。例えばこんな視聴スタイルが実現できます。REGZA Tabletはアンテナ線などの配線も不要で使えるパーソナルテレビというわけです」
DLNAやDTCP-IP対応のPCなどでも行なえるものだが、タブレット端末でそれを実現した点がユニークだ。ビジネス用などは別として、家の中で手軽に使えるPC的な端末としてはタブレット端末やスマホなどが優位だろう。
本村:「弊社はテレビとレコーダー、PCの事業部がひとつに統合されていますが、それぞれの分野が同じ場所で仕事をしていると、新しいアイデアがどんどん生まれてきます。それぞれのカテゴリーの垣根を取り払ったところで、新しいテレビの楽しみがもっと広がるのではないか? そのワクワク感を製品でも実現するのが“REGZA WORLD”です」
本村氏は、テレビにPCと同等の機能を持たせる“スマートテレビ”の考え方に対し、日本には独自の展開があると言う。優れたコンテンツの多くを無料で放送している世界的にもまれな国である日本では、テレビ番組を軸としたスマートテレビのあり方が自然だというわけだ。
本村:「レグザAppsコネクトの“タグリスト共有”のように、テレビ番組を介して多くの人とコミュニケーションする楽しみなど、テレビ番組が知的なコミュニケーションツールになっていくと思います。そういった情報をやりとりし、テレビやレコーダーを快適にコントロールできるREGZA Tabletを介して、テレビの新しい楽しみをこれからもたくさん提案していきたいですね」
REGZA WORLDは、まだまだ始まったばかりで、今後もさまざまな展開が検討されているという。例えば、タイムシフトマシンで蓄積した番組を見る人の好みに合わせてオススメするようなガイド機能の実現や、ネットワークによる連携を地域やコミュニティーに拡大し、テレビを介したコミュニケーションを実現する、という構想まであるという。
テレビとして、レコーダーとして、新しい価値を生み出した55X3とDBR-M190だが、その先進性はさらに先を見据えていた。テレビはこれからもっと面白くなる。そんな期待まで感じさせる。年末の製品の発売が今から待ち遠しい。