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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第220回

猫をどアップで撮るならマクロレンズで

2011年10月07日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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ソファでくつろいでいる「かふか」の顔を105mmのマクロレンズでぐっと。きちんと瞳にピントを合わせるのがポイント(2011年9月 ニコン D7000)

ソファでくつろいでいる「かふか」の顔を105mmのマクロレンズでぐっと。きちんと瞳にピントを合わせるのがポイント(2011年9月 ニコン D7000)

 デジタル一眼カメラに付いてくる標準ズームレンズとか、前々回に紹介したような明るい単焦点レンズとかを使って猫を撮っていると、ときどき「ああ、もっとぐぐぐっと近寄ってデカくアップで撮りたい~」となるわけで、わたしに限らず飼い猫を撮る人ならそう思うことがあるかと思う。

 そんなときにはマクロレンズ。大ざっぱにいって近接撮影……つまりマクロ撮影可能なレンズのこと。ぐぐっと近寄って撮っても、離れて普通に撮ってもOK。

 とりあえず用意したのが望遠系マクロレンズであるシグマの「MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM」と標準マクロレンズであるニコンの「AF-S DX micro Nikkor 40mm F2.8G」。

カメラに付いているのがシグマの「MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM」。手ブレ補正付。ピントの合う範囲を設定する「リミッタースイッチ」がついている。これを上手く使うとAF時間を短縮できる。後ろのコンパクトなのがニコンの「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm F2.8G」。こちらは手ブレ補正はないけどコンパクトで低価格なお手頃マクロ入門レンズ

カメラに付いているのがシグマの「MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM」(希望小売価格11万2000円)。手ブレ補正付。ピントの合う範囲を設定する「リミッタースイッチ」がついている。これを上手く使うとAF時間を短縮できる。後ろのコンパクトなのがニコンの「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm F2.8G」(同3万7800円)。こちらは手ブレ補正はないけどコンパクトで低価格なお手頃マクロ入門レンズ

 望遠系マクロの方が望遠なのでちょっと離れてもデカく撮れる。手始めに撮ってみたのが冒頭の写真。

 でも、もっと寄れそうなのでソファの上でくつろいでいる「かふか」にぐぐぐぐっと寄ってみた。ピントが合わなくなるギリギリまで寄ってみた。それが下の写真だ。

夜の室内で瞳孔が開いている「かふか」の目に、ぐぐぐっと寄って撮ったマクロ写真。これをやってみたかった(2011年9月 ニコン D7000)

夜の室内で瞳孔が開いている「かふか」の目に、ぐぐぐっと寄って撮ったマクロ写真。これをやってみたかった(2011年9月 ニコン D7000)

 ここに掲載されてるのは縮小画像なので、実際にはどのくらいまで撮れてるか、中央部を拡大してみたのが下の写真。

瞳部分を切り出してみた。部屋の中が丸わかりでちょっと恥ずかしいけど、自分が確かに写ってる

瞳部分を切り出してみた。部屋の中が丸わかりでちょっと恥ずかしいけど、自分が確かに写ってる

 瞳の中にカメラを構えているわたしと、散らかってる部屋の中まで写ってる!

 いやあ、これを一度やってみたかったのだよね。瞳の中に写る自分。ただし、マクロレンズって被写体に近づけば近づくほどピントがシビアになる。ましてや相手は猫である。

 ピント位置がほんのちょっとずれただけで……つまり、ピントを合わせる位置がほんの5mmずれるとか、猫がほんの5mm動くとか、カメラを持つ手がほんの5mmブレるだけでピントがずれるのだ。

 本来なら三脚を使ってカメラが動かないようきっちり固定して撮るべきなのだが、何しろそんな大げさなことをしていたら、いくら飼い猫でも訝しがって逃げちゃう。よって手持ちで撮るしかない。

 実は瞳写真を撮るために12枚撮影し、一番狙った位置にピントがきていたのが上の写真なのである。

ずらっと並んだ瞳の写真が12枚。これだけ撮ってやっと満足のいくものが1枚撮れたのである

ずらっと並んだ瞳の写真が12枚。これだけ撮ってやっと満足のいくものが1枚撮れたのである

 マクロ撮影時はピントや手ブレが(手ブレ補正機構を持っていたとしても)たいへんギリギリなので、何枚も撮っておくべし。

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