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秋の夜長にいい音を楽しむヘッドフォンアンプ選び 第3回

ヘッドフォンアンプ自作で安価に高音質を目指す

2011年09月21日 12時00分更新

文● 鳥居一豊、行正和義

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アンプ内蔵Bluetoothヘッドフォンの実力は?

スマートフォン(NTTドコモの「T-01C」)とATH-BT02を並べたところ。コンパクトだし、ケーブル接続の必要がないので、使い勝手の点では優れている

スマートフォン(NTTドコモの「T-01C」)とATH-BT02を並べたところ。コンパクトだし、ケーブル接続の必要がないので、使い勝手の点では優れている

 ATH-BT02の場合、スティック型のコントローラーに電源ボタンやボリュームだけでなく、曲送りや再生/停止などのリモコン機能、通話用のPhoneボタンがある。もちろんマイクを内蔵するので、ハンズフリーで通話まででてきてしまうなど、スマートフォン向きのアイテムと言える。

 Bluetooth機器は最初にペアリングをする必要があるが、それを済ませてしまえば、以後は電源を入れるだけで自動的に登録機器を探して接続が行なわれるので手間は少ない。なにより配線が不要なので、スマートフォン自体はポケットでも鞄の中でもどこにでも入れておけるし、ケーブルがからまることがないので使い勝手がいい。

側面には通話ボタンがあり、電話の着信が可能。そのほかエフェクト切り替えやペアリング用のボタンを搭載する

本体底面には充電用のUSB端子を搭載する

 早速音を音を聴いてみよう。なお、ATH-BT02はカナル型ヘッドフォンが一体型となっているため、これまで紹介してきたヘッドフォンアンプと同じヘッドフォンを使うことはできない。そのため、音質評価については横並びの比較ではないことをお断りしておく。

 まず、ノイズ感が少ないことに感心した。音楽再生中に一時停止するだけでなく、オーケストラ演奏の演奏が終わったあとのホールの静寂感などもノイズが気になってしまうようなことはなかった。

 MP3で聴いていることもあり、伝送の圧縮によるダメージはほとんど気にならず、Bluetoothが音質に与えるダメージは思ったほどではないことがわかる。

 肝心の音質はカナル型のヘッドフォン自体も小さめということもあり、絶対的な低音が少々不足がちになり、その分少しこじんまりとした印象になる。音圧感もそれほどパワフルではなく、どちらかというと落ち着いた印象の音になる。

 ATH-BT02にはモバイル機器向け高音質化技術「SRS WOW HD」が備わっており、それをオンにすることで低音の不足を感じないレベルにまでフォローできた。

 電気的な低音増強はあまり好きではないのだが、SRS WOW HDは低音だけでなく、高域までトータルで音質改善を行なうようで、不自然な低音の強調感がなく、高域もよりクリアになるなど、かなり有効だった。基本的に常時オンのままで使ってもいいと思うほど、変なクセがないのはありがたい。

 今回の試聴に関してはヘッドフォンの違いによる絶対的な差はあるが、有線接続よりもBluetooth接続のほうがノイズが少なく、音がクリアだと感じた。正直、期待以上の音が得られたのには先ほどの先入観が恥ずかしくなる気持ちになる。

 できることならば、ヘッドフォンを交換できるようにして、好みのヘッドフォンを使えるようなモデルが登場してほしいとも思う。

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