Facebook広告を活用しよう
前回の「保存版!Facebookでファンを獲得する18の鉄則」では、ファンを増やす方法の1つとして「Facebook広告」を取り上げました。
「広告」というとテレビCMや新聞広告といった大げさなものを想像しがちですが、Facebook広告はとてもシンプルなもので、字の通り「広く告げ知らせる」ものだと考えるとよいでしょう。1日100円~という低予算で出稿でき、Facebookページを立ち上げたばかりの状態――「いいね!」してくれているファンが少なくソーシャルグラフ(ソーシャルメディア上の人間関係)による情報拡散が期待できない場合でも、Facebookページの存在を多くのユーザーに知ってもらえます。
Facebook広告には、Facebookならではの強みがあります。ユーザーが登録している情報を広告に活用できる点です。ユーザーが登録している性別、年齢、住んでいる地域や交際ステータス、興味などを指定してセグメントされたユーザーに対してだけ、広告を配信できます。
たとえば、大阪の地域に根付いたお好み焼き屋さんが女性限定のメニューを開発し広告を配信したいと思ったら、お店のある市町村の近くに住んでいる女性ユーザーにだけ効果的に広告を配信できるのです。
今回はいくつかあるFacebook広告の中から、誰でも手軽に使える「Facebook広告」と「スポンサー記事」について紹介します。
- (1)Facebook広告
- 広告主が指定したテキストと画像を表示し、Facebookページやイベント、アプリなどのFacebookコンテンツや、自分のサイトを宣伝できます。あわせて、ユーザーの友人のアクションも自動的に表示されるので、口コミ効果も期待できます。
- (2)スポンサー記事
- Facebookページやアプリに対するユーザーのアクションを利用した広告です。自分の友人がFacebookページや投稿に対して「いいね!」した場合などに、友人のアクションが広告としてそのまま表示されます。
上の2つはどちらもASCII.jp Web Professional Facebookページに関する広告の表示例です。「Facebook広告」では広告主が指定した画像とテキストが中心なのに対して、「スポンサー記事」では誰が何をしたのかを示す、口コミ的な要素が強くなっています。
広告出稿の画面と出稿方法
実際にFacebookページを宣伝するための手続きを紹介しましょう。広告は、自分が管理しているFacebookページの[広告を使って宣伝]から出稿できます。
広告出稿画面では、上から順番に「1.広告を作成」「2.ターゲット設定」「3.広告キャンペーン、価格設定、日程」を設定します。順に解説します。
1.広告を作成
- (1)リンク先
- 広告がクリックされたときに移動する先のWebサイトまたはFacebook内のページを指定します。
- (2)タイプ
- Facebook広告もしくはスポンサー記事を選択します。
- (3)記事のタイプ
- 「Facebookページ向けFacebook広告」を選択します。
- (4)[リンク先]タブ
- リンク先がFacebookページの場合、表示するタブを選択します。
- (5)タイトル、本文、画像
- 広告のタイトル、テキスト、画像を設定します。Facebookページを宣伝する場合はページ名が自動的にタイトルになります。ユーザーの関心を引くように、できるだけ具体的で魅力的なテキストと画像を用意しましょう。入力した内容は下のプレビューで確認できます。
2.ターゲット設定
- (6)地域
- 広告を表示するターゲットを国や市区町村から絞り込みます。選択した市町村を中心とした距離も指定できます。
- (7)ユーザー層
- 広告を表示する対象となるユーザーの年齢や性別を指定します。
- (8)好きなものと趣味・関心
- ユーザーの好きなものや関心のあること、職業や肩書きからターゲットを絞り込みます。
- (9)Facebook上のつながり
- 管理しているFacebookページやイベント、グループとつながっている人をターゲットにしたり、逆にターゲットから除外したりできます。
- (10)詳細ユーザー層ターゲット
- 詳細なユーザー属性でセグメントしてターゲットを絞れます。たとえば、交際ステータスを指定して独身のユーザーにだけ結婚相談の広告を出せます。
- (11)学歴と職歴
- 学歴や勤務先から広告ターゲットを絞り込めます。
- (12)予想配信数
- 現在設定しているターゲットで広告を配信できるユーザー数がリアルタイムで表示されます。
3.広告キャンペーン、価格設定、日程
- (13)広告キャンペーンと予算
- 今回実施する広告のキャンペーン名を設定し、キャンペーン全体の予算を管理できます。予算は1日100円から設定できます。
- (14)日程
- 広告キャンペーンを実施する期間を設定します。
- (15)価格
- 広告の入札金額を設定します。価格の設定にはCPM(インプレッション数あたりの料金)とCPC(クリック数あたりの料金)の2種類から選べます。
以上で設定は完了です。「注文する」をクリックして申し込みを確定する前に、広告内容を確認しましょう。Facebook広告の料金はクレジットカードかPaypalで支払えます。
注文を確定し、事業所登録を完了すると作成した広告はFacebookの審査へと移ります。審査では、Facebookの広告ガイドラインに適合しているかが調べられ、問題なければ配信が開始されます。
「Facebook広告」「スポンサー記事」は使い分けましょう。「Facebook広告」はテキストや画像を自由に設定できるので、工夫次第で魅力的な広告を作成できます。一方、スポンサー記事は友人の行動にひもづいて作成されるので強力な効果が期待できますが、Facebookページのファンが少ない間は露出自体が伸びず、期待した効果を得るのは難しいでしょう。
Facebookページ立ち上げときには、Facebook広告でファンを獲得し、ファンの数がある程度増えてきたらスポンサー記事を利用してファンを囲い込むとよいでしょう。
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Facebookページを運用には、長期的な視野に立ったファンとの関係作りが重要です。今回の記事で紹介した「EdgeRank」を理解し、「Facebookインサイト」や2種類の「Facebook広告」をうまく活用してください。
著者:加藤 洋(かとう・ひろし)

株式会社TAM アートディレクター兼ソーシャルメディア・プランナー。大手通信会社キャンペーンサイト、国内高級車メーカープロモーションサイト、大手通販会社ECサイトなどを数多くWebプロジェクトを手掛ける。FacebookやTwitterなどソーシャルメディア活用のノウハウ蓄積と情報発信を行なうサイト「Social Media 360.jp[役に立つソーシャルメディア情報配信サイト]」を運営中。