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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第28回

「ブルーレイDIGA」がライバルを突き放す怪物に進化!?

その価値はBDレコ2台超! パナの「DMR-BZT900」

2011年03月09日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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 ここ最近のBlu-ray Discレコーダーは、新製品が出るたびに着実に進化を重ねており、各社の競争も熾烈なものになっている。中でも年2回のペースでラインナップを刷新しているパナソニックの「ブルーレイDIGA」は総合的な性能の高さに加えて、先進的な機能を次々と搭載してきている。

 今年のBDレコの一番手となる春モデルでは、ついにトリプルチューナー搭載を実現した「BZTシリーズ」を2月に発売(関連記事)。ミドル~エントリークラスとして、ダブルチューナーの「DMR-BWT500」(実売価格9万2000円前後)、シングルチューナーの「DMR-BRT300」(同5万8000円前後)、「DMR-BR30」(同5万円前後)もあるが、メインとなる機種はすべてトリプルチューナーだ。

 しかも、すべて3/4層メディアの「BDXL」対応で、「DMR-BR30」を除き、「スカパー!HD」録画やBlu-ray 3Dソフトの再生に対応している。

「DMR-BZT900」

「DMR-BZT900」

 今回はハイエンドモデルの「DMR-BZT900」(実売価格31万8000円前後)を取り上げるが、プレミアムモデルだけに価格は高い。その点を考えると、機能的にはほぼ同等で、HDDを2TBとした「DMR-BZT800」(実売価格18万円前後)や、1TB HDDのDMR-BZT700(同13万7000円前後)は、コストパフォーマンスが極めて高く、見逃せないお買得モデルと言えそうだ。

チューナーがひとつ増えただけで
その価値はBDレコ+1台分!?

番組表自体は従来どおりだが、予約マークが3つ並んでいることに注目。これは異常な光景だ

番組表自体は従来どおりだが、予約マークが3つ並んでいることに注目。これは異常な光景だ

 まずはトリプルチューナーの魅力について解説しよう。あまりヘビーに録画をしない人にとってはダブルチューナーでも十分と感じているかもしれないし、2つが3つになったところで騒ぐほどの差はないと考える人もいるだろう。ところが、この“+1”の差は実に大きいのだ。

 我が家のBDレコ環境を例に挙げると、メインとなるダブルチューナー機と、スカパー!HD録画用のダブルチューナー機の2台体勢となっている。これで3番組同時録画+スカパー! HD録画を実現していたわけだが、これをなんと1台でまかなえてしまうのが、DMR-BZT900をはじめとする新しいトリプルチューナー機なのだ。

 つまり、BDレコ2台分と言っていい。そう考えると、およそ30万円のDMR-BZT900ですら値頃感を感じてしまう。単にチューナーが1つ増えたのではなく、BDレコが2台必要か、それとも1台で済むかを較べると、これは凄いことだ。

番組重複時の確認画面。同じ時間帯に4つ目の番組を予約しようとすると表示される。なお、3番組同時の長時間録画の場合、1つだけDR録画となり、録画完了後に長時間モードに変換される仕様だ

番組重複時の確認画面。同じ時間帯に4つ目の番組を予約しようとすると表示される。なお、3番組同時の長時間録画の場合、1つだけDR録画となり、録画完了後に長時間モードに変換される仕様だ

 筆者のようなヘビーな録画マニアはもちろんだが、家族みんなで1台のBDレコを使う場合でも、チューナー数は多いほどいい。家族がそれぞれに番組を予約した結果、番組が重複して録画ができなかったというトラブルを回避できるからだ。

コンパクトな本体を踏襲
デザインは若干シンプルに

「DMR-BZT900」の前面。従来モデルと異なり、前面パネル全体が開閉するデザインに変わった。前面端子の装備は、i.LINK、USB、SDメモリーカードスロット

「DMR-BZT900」の前面。従来モデルと異なり、前面パネル全体が開閉するデザインに変わった。前面端子の装備は、i.LINK、USB、SDメモリーカードスロット

「DMR-BZT900」の背面。ほかのBZTシリーズと異なるのは、HDMI出力が2系統、同軸デジタル出力1系統を備えること

「DMR-BZT900」の背面。ほかのBZTシリーズと異なるのは、HDMI出力が2系統、同軸デジタル出力1系統を備えること

 サイズは従来どおりコンパクトで、本機のみほかの新モデルと比べて奥行きが長く(239mm)なっているが、これでも十分にコンパクトだ。天板にはアクリルの化粧板が備わっているのは従来どおりだが、「クリア仕上げ」から細かい凸凹を施した「ストリームテクスチャー」に変更(冒頭写真)。高級感を兼ね備えた美しい仕上がりとなっている。

 また、前面はパネル全体が開閉するデザインとなり、正面から見た印象がすっきりした。格好はよくなったものの、「ああ! パナソニックもトレイを出すとパネルが開きっぱなしになるデザイン採用か!」と初対面では落胆したが、実機を使ってみるとそれは杞憂だった。パネルはバネ式で、ディスクトレイの開閉に合わせてパネルも開閉してくれる。

 前面パネルは下まで開ききるとそのまま固定され、ほんの少し持ち上げただけでバネの力で元に戻るようになっている。このあたりの配慮はさすがだ。

本体上部の電源およびディスクトレイ開閉ボタンがセンサー式になった

底面にはセラミック素材を採用したインシュレーターを装備。振動吸収性能が高く、外部から伝わる振動を低減し、振動による音質への影響を排除する

底面にはセラミック素材を採用したインシュレーターを装備。振動吸収性能が高く、外部から伝わる振動を低減し、振動による音質への影響を排除する

 このほか、新モデル群の中で本機のみ、上部にある電源およびディスクトレイ開閉ボタンがタッチセンサー式で、触れるだけで快適に操作できる。

 脚部にはセラミック素材を使ったインシュレーターを備えており、デザインだけでなく音質の点でもグレードアップが施されている。

リモコンは無線式を採用。新たに「Skype」ボタンや、ネットボタンが追加された

 付属のリモコンは無線式のものとなっている。これ自体は従来と同様で、設定により赤外線式として使うことも可能。ほかのデジタル無線と干渉するような場合には、切り替えるといいだろう。

 新リモコンのボタン配置も見直されており、地デジやBS/CSなどのボタンの横に「ネット」ボタンが追加された。放送を切り替えるのと同じ感覚でネット機能を呼び出せるのは感覚的にわかりやすい。また、インターネット通話機能「Skype」用のボタンも新設されている。

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