DPZはリアルタイム性を追求していきたい
―― ちなみに林さんはDPZでもライターとして執筆されていますが、「Webやぎの目」との住み分けはどうされているんでしょう。現在はさらにTwitterもやられていますし、ネタが尽きませんか?
林 どの場所でも、雰囲気的なところを変える意識はないですね。ただ、DPZでは「外に出て何かやる」と決めています。Webやぎの目は「日々思ったことを書いていく」感じですね。そもそも、脳内だけを書き続けるのはあんまり良くないと思い始めていたので、DPZでは外に出るものにしたいと考えたんですよ。
ネタ尽きは、うーん……。たぶんネタは出せば出すほど出てくるもんだから、今は溜めないほうが健康的かなと思っています。
―― DPZの記事を拝見して、核になるネタと時事的なものを含む周辺のネタを組み合わせて膨らませるのが上手だなと思いました。ネタ尽きしないコツはそういうところですかね。
林 あー、そういうテクニック的なところはあると思います。DPZを始めた1年くらいは勢いで手持ちのストックをやっていって、だんだん苦しくなっていったんですよ、やっぱり(笑)。それで、ぼんやりと「コレいいな」と思ったものを「なぜいいか」と分析して細かくしたり、色々なネタと組み合わせたりというテクニック的なところを磨いていったと思います。
だから読み返すと、けっこうパターンができちゃっているかなと。先ほど挙げられた焼き芋だったら、冬がメインのものを夏に食べたり、現代では主食じゃないところをあえて主食にしてみたりという感じで。なんかこう関連するキーワードの反対をくっつけてみるみたいな、そういういやらしいテクニックはありますね。
あと、DPZの企画会議でも、漠然としたネタを持ってくる人が多いんですね。「俺はカレーが好きだから、レトルトカレーで何かしたい」みたいな。そういうときには、何かを掛け合わせるということも多い気がします。そんなパターンが決まっている感じがあれですけど、出発点に「俺はカレーが好き」があるから軸はブレないかなと。
―― 軸があってこそテクニックが光る感じですね。では、今後の目標を教えてください。
林 DPZでいえば、リアルタイムの方向に行きたいと思っていますね。昔からDPZは1日2回更新なんですけど、最近はFacebookにしろTwitterにしろ、ネットの更新スピードがどんどん上がっているじゃないですか。そこに1日2回だけ「記事更新しました」とやっても、一瞬で流されてしまいます。なので、「工作失敗しました」みたいな記事の作成過程を出していって、現在のネットの速さに入り込みたいなーと考えています。
それこそ、Ustreamも使ったりしてリアルタイムに行程を見せる仕組みを作ったり。正直その先には個人へのフェティッシュがあるのかもと思いますが、多少そういう色が出てもリアルタイムの方にいきたいですね。
あとは、DPZのライターだけでなくて、誰でも書けるようなコンテンツも作っていきたいですね。短文だったり1枚の写真だったりしたら、敷居もなくていけるかなーと。
―― なるほど。では、さらに先の未来はどうでしょうか?
林 うーん。DPZは会社のものなので、もっと大きくしていこうという意志だったり、ビッグクライアントがお金を出すという動きだったりがあれば、今と全然違うものになってるかもしれないですから。ちょっと見えないですね。
でも、Webやぎの目は完全に個人でやっているので、これはそんなに変化なく1年後も5年後も続けていると思います。
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