このページの本文へ

2011年、クラウドパートナーをいかに選ぶか?第5回

メディア横断企画「クラウド討論会2011」の楽しみ方

クラウドはバズワードか? 編集長たちのオピニオンを聞け!

2011年01月26日 12時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

1月12日、主要IT関連5媒体の編集長が一堂に介した「クラウド討論会2011」が開催された。そうそうたる面子の中、僭越ながら私も討論会に参加させていただいた。ここでは2月に各媒体に掲出される討論会レポートの楽しみ方を伝授しよう。

 「こういうイベントは過去にあまり例がないですね」。討論会開始前の打ち合わせで、誰からともなく出てきた台詞がこれだ。日経BP、アイティメディア、インプレス、朝日インタラクティブ、そしてアスキー・メディアワークスの5社がメディアの垣根を越えてクラウドについて語り尽くすのだから、今回のクラウド討論会は、確かにユニークといえる。

【メディア横断企画】クラウド討論会2011

パネリスト
浅井 英二 氏 アイティメディア ITインダストリー編集統括部長
別井 貴志 氏 朝日インタラクティブ CNET Japan編集長
大谷 イビサ 氏 アスキー・メディアワークス TECH.ASCII.jp 編集長
田口 潤 氏 インプレスビジネスメディア ITLeaders 編集長
星野 友彦 氏 日経BP コンピュータ・ネットワーク局
ネット専業プロデューサー 兼 日経コンピュータ編集プロデューサー
モデレータ
舘野 真人 アイ・ティ・アール シニア・アナリスト


 では、なぜ今クラウドか? これに関しては、改めて語るまでもないだろう。ITシステムを持たず、ネットワーク経由で利用するクラウドコンピューティングは、アーキテクチャや概念を論じる段から、2011年は実際の導入フェイズに入りつつある。しかし、クラウドという言葉からしてさまざまな定義が入り交じり、セキュリティ、信頼性、コストなど導入の課題も山積。数多くのサービスや製品に関しても、なかなか導入のポイントが見えないのが現状だ。

 そして最大の問題は、こうした現状に対して正しい情報発信が行なわれていないという点。つまり、クラウドの真価や可能性を理解しないまま、業界全体がクラウドブームに躍らされてしまっているわけだ。これに対してIT関連のメディアが英知を結集し、方向性を示そうというのが、今回のイベントのおおまかな趣旨といえる。

 今回のクラウド討論会は、編集長が上から目線でクラウドブームについて一刀両断するものでもないし、特定のベンダーのサービスや製品のメリットを声高にアピールするものでもない。今回のイベントの協力として名を連ねているNTTコミュニケーションズに対してですら、耳の痛いと思われるコメントが出てきた。ユーザーからのアンケートやリサーチなどの客観データ、足で稼いだ過去の取材情報をそれぞれのフィルターにかけて、クラウドの真価や可能性を探るというものであった。

「クラウド討論会2011」の様子

 とかくIT関連のメディアは「オピニオンがなくなった」といわれるが、このイベントに関して、それは当てはまらない。たとえば日経BPの星野氏は、過去の日経BPでのリサーチ結果や業界動向、従来のコンピュータアーキテクチャを元にクラウドの課題や特徴を鮮明に描き出した。ITmediaの浅井氏は、ビジネスとクラウドの結びつき、あるいはクラウドの価値についてわかりやすく説明してくれた。誰もがクラウドに対して過剰な期待を頂いておらず、一方で有望な技術として評価しており、きわめて地に足の付いた意見が聞かれた。そして、話はSIerやエンジニアの将来、日米クラウドビジネス比較論、データガバナンスの重要性まで、いい具合に脱線していた。

 このクラウド討論会2011年の内容は、各社のメディアにレポートとして掲出される。弊社であれば、TECH.ASCII.jpおよび「ASCII.technologies 2011年4月号」(2月24日発売)である。

 もちろん、裏を返せば、討論会の全貌を知るにはすべての媒体に目を通してもらう必要がある。Web媒体だけではなく、ASCII.technologiesのような有料の紙媒体もある。これに対しては、傲慢にも「全部読んでください!」といっておきたい。各媒体の持ち味を生かしたレポートに仕上がっていると思われるので、きっとお仕着せのクラウド論とは異なる現実的な示唆を得られるはずだ。

カテゴリートップへ

この連載の記事
ピックアップ