YouTubeが登場して、
「終わったな」と思った高校時代
―― ひろぶろの開始にあたって、サイト開設と画像や動画への興味はどちらが先に立っていたんですか?
nejire 動画と画像の収集ですね。中校生の頃にネットにハマって、国内外のサイトで動画や画像を見て回る生活を送っていました。
その中で、ものすごいロボットダンスの動画を見つけたんですよ。デビッド・エルスウェアというダンサーで、今はテレビCMに出演するほど有名な方ですが、当時はグーグルで検索しても全然ヒットしないくらいで。「こんなすごい人が世に知られていないなんて」と、ショックだったのを覚えています。
それで、とにかく皆に知ってもらいたいという衝動に駆られたんです。まずは学校で見せたりして、高校の友人に勧めまくりました。でも、友人からは「まあ、すごいね」程度の反応しか返ってこなくて、思い描いたようなリアクションは得られず……。
「それならネットだ!」ということで、いろんな掲示板にスレッドを立てて、「こんなすごい奴がいるんだよ」とURLを貼ったんですね。すると今度は結構評判がよくて、「もっと教えてよ!」などと、いい感じの書き込みがたくさんもらえたんです。
そこで舞い上がって、ダンス以外にもストックしている動画のURLをスレに貼りまくるようになりました。2003年から1年くらいは、ずっとそんな毎日でしたね。
―― そして2004年5月に「拾ったものを紹介していくブロG」を立ち上げた。
nejire はい。当時はちょうどブログそのものが話題になっていた時期で、これなら僕のスキルでも作れると思って。だから、スレッドで海外サイトを直輸入するみたいな感じで紹介していたときとまったく同じコンセプトでした。そのときはまだ高校生でしたね。
―― そこからブレイクするまではどれくらいかかりましたか。
nejire ありがたいことに、けっこう最初からアクセス数が上がっていった記憶があります。当時はYouTubeがまだ日本で流行っていなかったので、海外の怪しげなサイトからネタを拾ってくるというサイトがまだ少なかったのが要因なのかもしれません。
―― 動画紹介サイトからみると、YouTubeの存在は大きそうですね。YouTubeのスタートは2005年前半でしたが、注目を集めるようになったのは2006年頃でした。
nejire YouTubeが話題になったときは、「あ、終わったな……」と思いましたね。YouTubeに行けば観られるんだから、僕のサイトいらなくなるじゃんと。
ところが、そうじゃなかった。YouTubeは想像をはるかに超えるスピードで成長して、「何か面白いものないの?」と、膨大な動画の中から探し出すのに苦労するレベルまで、一気に駆け上がってくれたんです。
だから、むしろYouTubeの中で面白いものを紹介してほしいというニーズも生まれて、動画紹介サイトは終わるどころか、ブーム到来という感じになったんです。
(次のページに続く)
この連載の記事
-
最終回
トピックス
アンサイクロペディア“中の人”が語る、ユーモアの難しさ -
第99回
トピックス
マスコミが報じない“カルト”を記事に 「やや日刊カルト新聞」 -
第98回
トピックス
「もし森ガールが森へ入ったら」アサイさんの超地道な努力 -
第97回
トピックス
死刑は必要? 冷静に考えるためのWeb資料室「刑部」 -
第96回
トピックス
NTT研究者が“錯覚”サイトにかける純粋な感情 -
第95回
トピックス
ネットの「熱さ」、現代アートに――藤城嘘とカオス*ラウンジ -
第94回
トピックス
諸君!革命的美人ブロガー安全ちゃんに刮目せよ! -
第93回
トピックス
探検コムの「広く浅く」が深すぎる! -
第92回
トピックス
金髪ギャル語でニュートリノ、Shoさまが熱い! -
第91回
トピックス
「計画断水」知ってる? ネットで日本の昭和を振り返る -
第90回
トピックス
電子書籍を紙で売る! 「コトリコ」挑戦への道 - この連載の一覧へ