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縦置きも可能!中小規模システムに最適な選択肢

オフィスに置ける富士通のブレード「PRIMERGY BX400」

2010年11月25日 12時00分更新

文● 大河原克行

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11月24日、富士通は中小規模システム向けブレードサーバーとして、「PRIMERGY BX400」を発売した。省スペース、軽量、省エネ、静音を重視し、オフィスでも置けるブレードサーバーを目指した。

中小規模や部門システムに最適なブレードサーバー

富士通 プラットフォームビジネス推進本部・森下健作本部長代理

 「サーバー集約、仮想化といったブレードサーバーに対する需要が高まるなか、大規模ブレードシステムと、中小規模ブレードシステムとに市場が2分化しはじめている。BX900が大規模ブレードシステムに対応したものであるのに対して、今回のBX400は、中小規模システムや部門システム向けに最適なシャーシを提供するものになる」(富士通プラットフォームビジネス推進本部・森下健作本部長代理)と位置づける。

2分化する市場のうち、中小規模を抑えるのがBX400になる

 PRIMERGY BX400は、最大8台までのブレードを搭載できるブレードサーバーシャーシで、ラックマウント型に加えて、フロアスタンド型を用意。6Uラックの大規模ブレードサーバーである同社「PRIMERGY BX900」に比べて、約6割のスペースを削減。2ソケットのタワー型サーバー「TX300」に比べても1.4倍のスペースに8台のブレードが設置ができるなど、省スペース化を実現。フロアスタンドキット利用時のサイズは、292×819×457mm(突起部を含まず)となっている。

6Uのサイズとなるラックマウント型

オプションによりフロアスタンドも実現

富士通IAサーバ事業本部IAサーバ事業部 事業部長 福田真氏

 さらに、フロアスタンドキット利用時には、サーバーブレード8台およびコネクションブレード4台を搭載した最大構成時でも、重量は約112.5kgとなり、「24Uラックで構成した場合に比べて、約63%の重量を削減。「一般オフィスフロアの耐荷重は、300~500kg/m2といわれており、BX400では補強工事をせずにそのままで設置できる」(富士通IAサーバ事業本部IAサーバ事業部・福田真事業部長)とした。

 また、冷却に最適化された電源およびファンユニットの制御により、サーバーブレード8台構成時の消費電力は1,710W。同等性能のラック型サーバーの消費電力が2,436Wとなるのと比較して、約30%の消費電力を削減。年間8万7574円の電気代の削減と、杉201本の植林にあたる2,824kgのCO2排出量削減につながるという。加えて、新機能の低騒音モード(Low Noise Mode)により、CPUが発熱しはじめた場合には、動作クロックを自動的に落とし、ファンの回転数を変えずに冷却。これにより、図書館レベルとなる約45dBの静音性を実現した。

 「省スペース、軽量、省エネ、静音を実現することで、専用ルームへの設置が困難な場合や、オフィスフロアに設置しなくてならない場合にも適した製品。中小規模サーバー集約に最適な製品になる」(福田氏)という。

管理面でも手抜きなし

フロアスタンドキットを用いたPRIMERGY BX400

 そのほか、シャーシ内のブレードで共用できるDVDドライブやUSBポートを装備。標準添付の「ServerView Installation Manager」の利用により、同一シャーシ内の複数ブレードに、アプリケーションなどの同時インストールを可能とするなど、操作性・運用性を高めている。オプションのLDCパネルを利用することで、PCなどのリモート管理端末が不要で、シャーシの設定や運用を行なえるといった特徴も持つ。

 また、同社のサーバー自動化・可視化ソフトウェア「ServerView ResourceCoordinator VE」の活用により、サーバー複数台に対し予備サーバー1台の可用性システムの構築も可能とする。

 PRIMERGY BX400 S1シャーシの価格は34万円。標準で1台のマネジメントブレードが搭載されており、BX900でも利用できるPRIMERGY BX920 S2、BX922 S2、BX924 S2などのサーバーブレードが搭載できる。ストレージブレードは、PRIMERGY SX910 S1、SX940 S1に対応。2010年12月には10個のHDDが搭載可能なストレージブレードを、2011年2月には共用ストレージソフトウェアをそれぞれ投入の予定。これにより、シャーシ内のストレージを複数サーバーで利用できるようになる。

サーバー集約ニーズをかっちり抑える

 同社では10月1日付けで、中堅・中小企業向け市場に特化した富士通マーケティング(FJM)がスタートしているが、「BX400は、FJMがターゲットとする市場に向けた製品。FJMと連携し、BX400とミドルウェアなどをセットにしたパッケージ製品を用意するなどの準備を進めている」(森下氏)とした。

大規模ブレードシステムBX900などと比較すると小ささが際だつ

 富士通は、2012年度に国内のサーバー販売目標として、年間20万台を掲げている。森下氏は、「ブレードサーバーの構成比は約10%。昨年度はブレードサーバーに関する大型商談があったため、今年度はその反動で前年並の出荷台数で推移している。だが、これは一昨年度に比べて約2倍の実績。2013年度までのブレードサーバー市場全体の平均成長率は16%増となっており、ますます構成比が高まっていくだろう。現在、ブレードサーバーの商談のうち、96%がサーバー集約ニーズ。そのうち、68%がブレード8台以下の商談。仮想化システムも中小規模での適用が約80%に拡大しており、こうした需要に対応した製品が必要になる。今回の製品はその市場を狙ったもの」と説明。「2010年上期(1~6月)における国内サーバー市場は、前年実績を上回るなかで、富士通は19%のシェアを獲得。前年度に比べて4ポイント上昇した。対前年比で45%増と、他社に比べて高い成長率を遂げている」などとした。

 BX400のブレードサーバーの販売目標は2011年度に8000台。シャーシでは1600台を目標にしている。

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