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PRIMERGY、DESKPOWERのふるさとをゆく

1台3分で次々に完成!富士通のPCサーバー工場を見た

2009年12月15日 09時00分更新

文● 吉川大郎/TECH.ASCII.jp

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“「Made in Japan」ものづくりへのこだわり”――こうした矜恃を持って、富士通のPCサーバー製造を一手に引き受けるのが、富士通アイソテックだ。コモディティ化の波をもろにかぶり、厳しいコスト競争にさらされるPCサーバーの世界で、トヨタの生産方式を取り入れた彼らは、09年度上期には、デルを抜いて国内3位のシェアを獲得した。

福島駅の北東約10km、総敷地面積79816平方メートル。今年度12万台のPCサーバー製造を目指す同社工場を訪問した。

あのDESKPOWERも
この工場で生まれた

富士通アイソテック

富士通アイソテック。約800名の従業員を擁する富士通のものづくり拠点だ

福島駅

東京から2時間たらずで福島に到着する

 富士通アイソテックは、富士通のPCサーバー、コンシューマ用PCの製造、プリンタの開発製造販売、リサイクル業を業務とする企業だ。1957年に、富士通信機製造と黒沢商店の共同出資で蒲田に設立された黒沢通信工業を前身とする。当時は印刷電信機や電子計算機用端末の開発製造を行なっていた。後に南多摩に移動し、次いで現在の福島に転居。1985年に現社名の富士通アイソテックとなった。

社旗

福島の曇天に、翩翻とひるがえる国旗と富士通の社旗

 我々PCユーザーに馴染みが深いのが、94年から富士通のパソコンを生産していたという点だ。Windows 3.1の時代から、Microsoft WordやExcel、そして一太郎やLotus 1-2-3といったメジャーなオフィスソフトをバンドルし、国民的人気機種になったFMV-DESKPOWERは、この工場で生産されていたのだ。そして現在でも、彼らはDESKPOWERを作り続けている。ちょうどこの時期は、Windows 7の出荷に合わせ、タッチパネル搭載マシンなどを中心に、繁忙なのだという。

増田社長

富士通アイソテックの業務内容を記者団に説明する、同社代表取締役社長 増田実夫氏

 今回は、PCサーバーの製造ライン、出来上がったPCサーバーをセットアップして出荷する「インフラ工場」、そしてリサイクルセンターの3つを見学したが、まずはPCサーバーの製造ラインから見ていきたい。トヨタ生産方式を採り入れ、極限まで生産性を高めたラインが、富士通アイソテックの“ものづくり”を支えている。なんと、3分に1台のPCサーバーが出来上がっていくのだそうだ。3分といえばカップラーメン1杯分、山手線なら1本待つ時間(時間帯にもよるが)で、組み上がってしまうというわけだ。

次ページ「3分に1台のPCサーバーが組み上げられる!」に続く

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